例題について
例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

ガウス記号の基本性質
実数 \(x\) に対して、\(x\) を超えない最大整数を \([x]\) と表すと
①:\(x-1 \lt [x] \leq x\)
②:\([x] \leq x \lt [x]+1\)
ということが言えます。
この ① と ② については両方とも覚えなくても、片方を押さえておけば、もう片方は移項すれば直ちに導けます。
覚えやすいほうで押さえましょう。
覚えるというよりは

という数直線的なイメージで押さえればよいでしょう。
お友達になれば、「結果的に」覚えています。
ガウス記号が絡んだ極限
今回考えるべき、
\(a_{n}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}\displaystyle \frac{[\sqrt{2n^{2}-k^{2}}]}{n^{2}}\)
というガウス記号が絡んだ式を直接表現することは至難の業です。
ただ、極限となれば、本人不在でも何とかなる強力な武器があります。
それは
です。
そして、ガウス記号にはその「はさみうち」に必要な不等式が上記の基本性質から揃いやすいわけです。
かなり乱暴な言い方ですが、ガウス記号が絡んだ極限については、
十中八九はさみうちの原理
と言っても過言ではありません。
先ほど、極限分野で登場するガウス記号についてはホームランボールになりやすいというのはこういった理由からです。
はさんでしまえば基本の運用
詳しい計算過程は【解答】で述べていますが、今回ガウス記号の性質から \(a_{n}\) をはさむと
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}\displaystyle \frac{\sqrt{2n^{2}-k^{2}}-1}{n^{2}} \lt a_{n} \leq \displaystyle \sum_{k=1}^{n}\displaystyle \frac{\sqrt{2n^{2}-k^{2}}}{n^{2}}\)
となります。
ここからは最左辺と最右辺の極限計算になります。
取り掛かるとしたら最右辺でしょう。
最右辺ができれば、最左辺は微調整レベルで解決できそうですから。
最右辺の極限は
\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} \displaystyle \sum_{k=1}^{n} \displaystyle \frac{1}{n}\sqrt{2-(\displaystyle \frac{k}{n})^{2}}\)
という区分求積法による計算処理にもちこめ、
\(\displaystyle \int_{0}^{1}\sqrt{2-x^{2}} dx\)
という積分計算に帰着します。
この積分計算は \(y=\sqrt{2-x^{2}}\) が
原点中心、半径 \(\sqrt{2}\) の円の \(y \geq 0\) を満たす部分
ということを利用して処理すればよいでしょう。
あるいは
\(x=\sqrt{2}\sin{\theta}\) などと置換する
という方針でもよいです。
いずれにせよ、挟んでしまった後は基本の運用力の問題です。
類題について
類題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題はガウス記号という小数部分の「切り捨て」でしたが、類題は小数部分の「切り上げ」です。
ただ、ガウス記号の基本性質の数直線的なイメージがあれば、切り上げバージョンでも対応できるはずです。
基本的なシナリオは大きくは変わりません。
変わるのは挟んだ後のシナリオです。
例題は挟んだ後、
区分求積の運用と、定積分の計算力
が問われました。
類題は
分数関数の収束条件(発散速度の比較)
についての基本的な運用力が問われます。
そういった意味で、類題は挟んだ後の方が難しいと思います。
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