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2024年度入試 旧帝大理系 解答例順次公開

解答例はコチラからどうぞ

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@mathclinic_314

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新着記事

2024年度 東北大学理系第4問【2球面の交円上を動く点の立式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2球面の交円上を動く点の立式に関する問題です。 丁寧なレールが敷いてありますが、状況を見失ってしまう受験生も少なくないでしょう。 立式するための補助的な図をイメージできるとある程度スムーズに方向性が見えてくるでしょうが、律儀に図を描こうとして混乱したり、無駄に時間を失ってしまう可能性も十分あります。 座標軸を先にかいてしまうと、図を描くのが困難になります。 座標軸は一旦無視して簡易的な図が描ければ、何を目指せばよいか、あるいはどのように式を立 ...

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2024年度 東北大学理系第3問【文字列作成に関する確率漸化式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 文字列作成に関する確率漸化式についての問題です。 問題文が長く、把握に時間がかかりそうですが、読み解いてみると、 ①:確率 \displaystyle \frac{2}{3} で末尾に A を追加 ②:確率 \displaystyle \frac{1}{3} で末尾に B を追加 ③:AAA というような A の3連続は不可 ④:BB というような B の 2 連続は不可 というルールで文字列を作成していくという単純なルールで ...

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2024年度 東北大学理系第2問【整式と対数関数の大小】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式の証明からスタートし、それを用いて n \leq 2\log_{2}n を満たす正の整数 n を求めるという内容です。 (1) の不等式の証明では、与えられた条件式、特に (a) をどのように活用するかが問われます。 (1) の主張は大まかに x \geq 2 \log_{t}x ならば、x+1 \gt 2 \log_{t}(x+1) という構造になっており、さながら帰納法の橋渡し的な内容です。 これを用 ...

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更新・追記記事(新着順)

定積分の難問【対称な積分区間】【2019年度 静岡県立大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分の計算というシンプルなオチですが、ノーヒントではほとんど差がつかないでしょう。 特に (3) で誘導の使い方が分からないと、頭に血が昇り、ムキになって 誘導に頼らずやってやる と、ますます深みに嵌まってしまうかもしれません。 そこまで複雑そうな関数にも見えないので尚更です。 最近では、こういったあまりに技巧的な要素を含む問題を嫌う傾向にありますが、芸術鑑賞と考えれば本問の話の進み方は初見の方にとっては感動的です。 (以下ネタバレ注意) ...

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sinの和とcosの積【和積公式の運用】【2008年度 首都大学東京】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「おっ?」と思うような見た目と構成をしていますが、中身は三角関数の諸公式の運用を試す基本的な問題です。 特に (2) は割と有名な等式です。 一般論に拡張できるような雰囲気を醸し出しておきながら、最後に裏切られてしまうのは何とも言えません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について x+y=\pi という従属2変数に関する扱いであり、 基本 1文字消去 を狙っていくのが素直です。 (2 ...

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いびつなサイコロ【不変量に注目】【2008年度 東京工業大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 各面が等確率で出ないサイコロを考えるという設定で、この設定にバリバリ慣れ親しんでいますという人は多くはないでしょう。 昔名古屋大学で直方体のサイコロに関する論証問題がありましたが、本問は直方体とも限らないということで攻め崩す急所をどのように見出していくかが問われます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について k=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots \ , \ 6 として、\ ...

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MathClinic(マスクリ)にようこそ

このサイトでは主に大学入試における数学の問題の解説をしています。

扱っている問題はそれなりのレベルで骨のある問題だとは思いますが、考えがいがあり、勉強する価値がある良問を提供します。

 

テーマ別演習について

各分野について、単発で終わらせるよりもシリーズものとして提供した方がいいと判断した話題についてはこちらで提供します。

古典的で由緒ある名作、歴史的・数学的に価値のある話題、などを中心に提供していきます。

ただし、時間に限りのある受験生にとって、あまりにマニアックな話題や自己満足に偏りすぎた話題を次から次へと提供するのも忍びないので、あくまで

「難関大入試において、十分な合格点を確保することを目的とした話題」

ということを念頭におきたいと思います。

テーマ別演習(各講第1回)

フィボナッチ数列とリュカ数列 第1講【ビネの公式と黄金比】【フィボナッチ数列の和】【1994年度 関西医科大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習ではフィボナッチ数列、及びリュカ数列にまつわる話題を取り扱っていきます。 古典的な内容となるため、いいか悪いかは別として知っている人からすればアドバンテージになり得る内容です。 細かな知識を事細かに逐一全て覚えなきゃと身構える必要はなく、高校で学習する基本事項の運用で訊かれていることを導出できればそれで構いません。 一つのストーリーとして気がついたら頭に入っていたという状態となれば幸いです。 シリーズ一覧 第1講はフィボナッ ...

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一般化 第1講【形から関数を設定する】【2015年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第1講では、形から関数を設定する力を身につけることを目標とします。 例題の問題は非常にシンプルですが、しっかりと基礎的な部分で差が付きます。 数学の発想の素となる 「こういうことをしてみたい(調べてみたい)」 という素朴な気持ちや感性を鍛えて ...

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逆像法 第1講【逆像法の考え方と使いどころをマスター】【最大最小問題への応用】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回は難関大を目指すにあたっては避けて通れない話題である「逆像法」について扱います。 このシリーズを通じて 逆像法のもつイメージ 逆像法の代表的な使いどころ をマスターし、状況に応じて自分で使いこなせるようにすることでライバルに差をつけましょう。 このシリーズの一覧はこちら   代表的な使いどころ 入試によく出題される話題の中で、逆像法が有効にはたらく場面というのは以下の話題です。 逆像法の代表的な使いどころ 最大最小問題への応用 ...

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実践演習について

各分野についての単元学習を終え、一通りの典型問題を学習した方を対象として、より実践的なレベルの演習教材を提供します。

汎用性の高い内容を含むトピックスについてはレベルの有無によらず適宜入れていく予定です。
(数がある程度まとまってきたら、別項目で整理するかもしれません。)

実際の試験場では、いたずらに設定が複雑だったり、結局この問題は何がやらせたかったんだ?と思うような問題に出くわすこともあるでしょうが、それを経験するのは過去問演習の段階で十分です。

  • 内容やテーマを出来る限りシンプルに聞いている
  • 解いた後「今日はこの話題をマスターしたぞ」という実感が得られる

そんな良問をセレクトしていきます。

実践演習(新着順)

1000以下の素数の個数【2021年度 一橋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2021年度入試の中でも注目度が一際高かった問題です。 問題文の意味自体は下手すると小学生でも分かりますが、実際に試験場で見ると面食らう受験生も多かったかもしれません。 実際に自分ではできたつもりでも、実は数え方がマズく証明できていないということにもなりかねないため、自分の手応えと実際の出来具合にはギャップがあるかもしれません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 方向性 素数よりも合成数の方が数えやすい ...

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高次式と余り【2020年度 広島工業大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題3はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高次の多項式に関する余りを求める問題で、頻出のトピックスです。 例題からスタートし、徐々に難易度が上がっていきます。 最後の類題3については、難易度は高めです。 この類の問題に一度でも経験があると舐める人もいそうですが、逆にそういう人の足を掬うよう ...

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大小比較【視覚化の工夫】【2004年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 文字を含んだ式の大小を比較する問題です。 単純に差を取って解決すれば問題ないのですが、差をとっても埒があかない問題もあるでしょう。 本問は誘導はなく、方針から自力で考える問題です。 もちろん、取っ掛かりとなる部分は無理のない範囲の発想です。 愚直に攻めてもよし、工夫して鮮やかに捌いてもよしという調理の仕方に幅のある問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:愚直に攻める 今回の2数 \(\displayst ...

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仮想難関大(オリジナル予想問題)について

東京大学、京都大学など旧帝大、東工大、国公立大医学部医学科など難関大学理系を想定して自作した問題たちです。

パズル的な問題ではなく、難関大学の入試を意識して作問しました。

「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」

という方はぜひどうぞ。

仮想難関大(オリジナル予想問題)(新着順)

仮想難関大(オリジナル予想問題)【整数~階乗と平方数~】【ブロカールの問題】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は整数の問題です。 ブロカールの問題と言われる次の問題があります。 ブロカールの問題 n を正の整数として、 a_{n}=n!+1 とするとき、a_{n} が平方数となる n を全て求 ...

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仮想難関大(オリジナル予想問題)【整数~等差数列と素数~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は整数の問題です。 等差数列の中で連続する素数の個数を考える問題です。 これについては グリーン・タオの定理 任意の正の整数 n に対して、n 個の項からなる素数等差数列が存在する。 というテレンス・ ...

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仮想難関大(オリジナル予想問題)【幾何~垂心~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は幾何の問題です。 重心や外心、内心などは幾何的性質も豊富ですが、垂心についての幾何的性質については中々スポットが当たらないので、これを機に考えてみてほしいと思います。 難易度は冷静な状態であればやや易でしょうが、試 ...

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解答について

まずは解答を読む前に自力で考えてみてください。

問題を解けるようになるためには、問題の難しさを実感することが必要です。

特に、実践的な演習においては一つの問題に対して粘り強く取り組む姿勢が今後の伸びを左右します。

「ギブアップするのが悔しい」と思えるぐらい真剣に考えていただきたいです。

 

記事の中にはネタバレの内容も少し含まれています。

そういったものは極力スライドボックスで隠しました。

 

問題と解答はPDFファイルで準備してあります。

解答の構成は【戦略】【解答】【総括】の3項目です。

極力天下り感が出ないように心がけて書いていますし、これからも心がけます。

ただし、一通りの典型的な問題の処理力や、基本的な計算技能が身についているということを前提とした解答であることをご了承ください。

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