月別アーカイブ:2023年03月

2023/3/31

2023年度 大阪大学理系第3問【曲線外の点から引いた接線の本数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 曲線外の点から接線が何本引けますかという定番のテーマであり、類題経験は阪大受験生であればあって然るべきでしょう。 なので、方針面で困ることがあってはなりません。 ただ、処理面で手が止まってしまう受験生は少なくないでしょう。 \((t \ , \ \cos{t})\) における接線の式を立て ,  それが \((a \ , \ b)\) を通るように仕組むことになります。 すると、 \(b=(t-a)\sin{t}+\cos{t}\) という等 ...

2023/3/29

2023年度 大阪大学理系第2問【平面ベクトルと点の存在範囲】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 目がチカチカして一見怯んでしまいそうですが、一皮むいてしまえば標準的な内容です。 試験場で解けなかった人からすると、あとから解答を見て なんでこれができなかったんだ と唇を噛むタイプの問題です。 指導者レベルの経験値をもった人であれば当たり前に感じてしまう工夫なのですが、受験生レベルだと(ましてや試験場だと)アタフタするかもしれません。 本問は文系第3問との共通問題でした。 文系の受験生だと一皮が分厚く感じるでしょうが、阪大理系受験生であれば ...

2023/3/28

2023年度 大阪大学理系第1問【メルカトル級数に関する極限】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目で怯んでしまう人が多そうです。 重い数Ⅲをよく出題する阪大ですが、本問は計算量そのものはそこまで大変ではありません。 メルカトル級数 \(\displaystyle \sum_{k=1}^{\infty} \displaystyle \frac{(-1)^{k-1}}{k}=\log{2}\) という有名な級数に関する類題経験があると、(1) の活用法が見えやすくなります。 この分野は特に現役生が苦手意識をもったまま試験当日を迎えやすい ...

2023/3/27

2023年度 北海道大学 理系数学【総評と感想】

2023年度北海道大学理系 各解説記事 120分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:複素数平面 極限(数Ⅲ) 第2問:空間ベクトル 第3問:微分法(数Ⅲ) 第4問:場合の数・確率 第5問:図形と方程式 微分法(数Ⅲ) 若干微分法(数Ⅲ)に偏った出題でした。昨年(2022年)は積分の話題はありましたが、具体的な積分計算がありませんでした。 今年は積分法の出題そのものがありませんでした。 各大問について 第1問(標準~やや難) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイ ...

2023/3/27

2023年度 北海道大学理系第5問【円の接線に関する対称点】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円の対称点について色々味付けがしてある問題です。 (1) ,  (2) までは何とか確保したいレベルです。 (3) も \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{P}\) ,  \(\mathrm{D}\) が同一直線上にあるという共線条件の翻訳さえできれば、(1) で考えた方程式が現れますので、前半の存在性についての証明は終わっているに等しい問題です。 難しいのは後半の一意性の証明です。 気がつけばそこそこの計算量で収まる路線 ...

2023/3/26

2023年度 北海道大学理系第4問【さいころの目で定まる値に関する確率】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) さいころの目によって定まる値のとり得る値に関する考察問題で、見かけで怯んでしまう受験生も多そうです。 文系との一部共通問題で、文系では \(K_{2}=5\) となる確率を求めよ。 というさらなる実験的設問がありましたが、理系ではカットされています。 (1) の \(K_{3}=5\) という場合でもよく見えなかった場合、自分で \(K_{2}=5\) という場合も考えてみるのも一つの手で、とにかく実際に手を動かす中で要領を掴むことが大切です ...

2023/3/24

2023年度 北海道大学理系第3問【2変数についての方程式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) グラフを用いて方程式の解について考察する問題です。 (1) は非常に基本的かつ定番の問題であり、(2) 以降の足掛かりとなる問題であるためこれを落とすことは許されないでしょう。 実質的には (2) 以降が勝負です。 (1) の関数 \(f(x)\) を用いると、(2) で与えられている等式は \(f(x)f(y)=c\) という形で表されています。 ここから何をしてよいのか戸惑ってしまう受験生もいたかもしれません。 (1) の結果を活用しよう ...

2023/3/23

2023年度 北海道大学理系第2問【球と直線の2交点】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における球面、平面、直線に関する問題です。 手始めに球の中心と平面 \(\mathrm{ABC}\) との距離を求め、次に球の中心の座標を求め、オチは球と直線の2交点の距離を求めるという流れです。 計算量、難易度はともに標準的で、今年 (2023年) のセットの中では唯一無理のない範囲で完答が狙える問題です。 律儀に \(x\) 軸、\(y\) 軸、\(z\) 軸を書いてやろうとすると見にくく使い物にならない絵を貴重な時間を割いて書く ...

2023/3/21

2023年度 北海道大学理系第1問【複素数平面上の図形列】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上で帰納的に定まる図形の列について考える問題です。 試しに \(C_{1}\)から \(C_{2}\) を作ってみると、構造や要領がつかみやすいと思いますし、 それができるなら \(C_{n}\)から \(C_{n+1}\) を作るのもできるはずです。 変換の意味を考えてみると、 \(\displaystyle \frac{1}{2}\) 倍縮小&平行移動 で、半径がどんどん半分になっていく円であることは想像できる人にはできるのでし ...

2023/3/20

2023年度 九州大学 理系数学【総評と感想】

2023年度九州大学理系 各解説記事 150分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:複素数と方程式 複素数平面(Ⅲ) 第2問:数列 第3問:ベクトル 第4問:微分法(Ⅲ) 第5問:微分法・積分法(Ⅲ)   第4問は文章を読んで、その内容の補足や証明について考えるという形式の問題で、この形式での出題は2年連続となりました。 各大問について 第1問(やや難) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 相反方程式と、複素数平面における三角形の形状 ...

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