月別アーカイブ:2022年04月

2023/2/14

楕円の法線と焦点【光学的性質の証明】【2009年度 鹿児島大学】

問題(改作)はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 楕円の法線と焦点に関する美しい比率に関する性質の問題です。 原題は次のようでした。 原題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 原題では、(2) で考える特別な点 \(\mathrm{P}\) に関して、 \(\displaystyle \frac {\mathrm{PF_{1}}}{\mathrm{PF_{2}}}=\displaystyle \frac {\mathrm{QF_{1}}}{\mathrm{QF_ ...

2022/4/25

定点からの見込む角が等しくなる点の軌跡【2008年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定点 \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) ,  \(\mathrm{C}\) が与えられ、 \(\angle{\mathrm{APC}}=\angle{\mathrm{BPC}}\) となる点 \(\mathrm{P}\) の軌跡を考えます。 題意はシンプルですし、恐らく直感的に結論も見える人もいると思います。 ただ、 その場所以外に点 \(\mathrm{P}\) は存在し得ない ということを論じきろうと思うと ...

2022/4/24

不定方程式の難良問【2007年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 与えられた \(p\) という文字を使ってよい中で、条件を満たす整数 \(a\) ,  \(b\) ,  \(c\) ,  \(d\) を求めるという不定方程式の問題です。 試行錯誤的にやってみたら解けた 戦略をもって見通しをもちながら解けた そもそも手も足もでなかった という3タイプに分かれると思います。 試験場においては、解けたもん勝ちという側面が強いですが、普段の学習においては爪がひっかかる部分をどのように見出していくか目を光らせる訓練 ...

2022/4/18

3乗和と素数の累乗【1984年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「素数の整数乗になる」という日本語で訊かれていますが、 \(p\) を素数、\(n\) を整数として \(a^{3}+b^{3}=p^{n}\) を満たす正の整数 \(a\) ,  \(b\) を全て求めよ。 という問題です。 明らかに誘導めいた (1) という設問はありますが、その誘導のありがたみを感じるためには薄皮一枚剥ぐ必要があります。 これが薄皮に感じるか、分厚い皮に感じるかという問題でしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タ ...

2022/4/17

3文字の対称式の値【2003年度 慶應義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3文字の基本対称式の値から、4乗和と5乗和という対称式の値を導出するという内容です。 なめてかかると、5乗和の方で「ん?」となるかもしれません。 確かな力があればそのまま押し切ることもできますし、エスケープしてリカバリーすることもできます。 様々な解法があるため、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 基本対称式の値 解と係数の関係から $$\begin{eqnarray} \left\{ ...

2022/4/14

放物線に接する外接円【1988年度 大阪大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線に接する外接円の列に関する座標と数列の融合問題です。 放物線と円が接するという状態をどのように捌いていくか それによって得られた数列をいかに捌いていくか という部分が山場となります。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 設定 ひとまず今回の円 \(O_{n}\) の方程式を立式するために、中心の座標と半径を設定することにします。 中心を \((0 \ , \ a_{n})\) ,  半径を \(r_{n}\) と ...

2022/4/11

分野の設定 変数の設定【1986年度 一橋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目ベクトルの問題です。 本問を通じて様々なものの見方を学ぶことができると思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 本問においては ベクトル・座標・幾何 という分野の選択が考えられます。 ベクトルの路線 平面ベクトルでは 1つの始点、2つの基底 というセオリーに従い、 \(\vec{p}=x\vec{a}+y\vec{b}\) と\(\vec{a}\) ,  \(\vec{b}\) で表していきます。 そのため ...

2022/4/8

四面体に関する論証【2012年度 北里大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 四面体に関する論証問題で、ひとまず例題でウォーミングアップをし、そこから徐々にステップアップをしていきます。 例題、類題1はセオリー通り手なりに進めていっても、特に大きな問題はないと思います。 類題2についてはセオリー通り進めていくと、冗談じゃない処理となりますので、工夫が必要となります。 ひとまずは自力で解き進 ...

2022/4/7

空間版メネラウスの定理【2015年度 埼玉大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) メネラウスの定理の空間版ともいえる内容の証明を考える問題です。 一応、ベクトルでゴリ押しすることもできますが、そちらについては【復習用問題】の【総括】で扱うことにします。 ここでは平面版のメネラウスの定理の拡張を前面に出した幾何的な路線をメインの路線として考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 平面版のメネラウスの定理の主張 というように、 \(\triangle{\mathrm{ABC}}\) を、直線 ...

2022/4/6

水の問題【2003年度 北海道大学】【2006年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 通称「水の問題」と呼ばれている問題を扱います。 理解したうえで勘所をもっていないと、右往左往しかねませんし、解答を読んでも 聞けば分かるけど自力でできない ということになりやすい問題です。 少しでも自力で解き進めるためにどういう意識をもって考えていくかということを少しでも持ち帰っていただければと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 体積は時刻に依存する 今回の水の体積 \(V\) は時刻 \(t ...

© 2024 MathClinic