評価

2023/2/25

2023年度 東京大学理系第1問【定積分の不等式評価と区分求積法】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分の不等式評価と、区分求積法からのはさみうちの原理による極限の導出を考える問題です。 オープニングとしては中々けたたましいファンファーレに感じた受験生も多いでしょう。 \(B_{n}\) を具体的に計算できないこと、及び (1) の不等式評価を誘導と見れば (1) の不等式評価を用いてはさみうちの原理で仕留める というオチを睨むことは難しくありません。 ただ、肝心かなめの (1) の評価が簡単ではなく、第1問という位置取り的にも平常心を乱 ...

2023/1/25

nのn乗根の極限【1985年度 鹿児島大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sqrt[n]{n}\) の極限についての問題です。 \(\sqrt[n]{n}=n^{\frac{1}{n}}\) ですから、\({\infty}^{0}\) という形の不定形ということになります。 本問は丁寧な誘導がついていますので、その誘導に乗れれば、完答することは難しくはありません。 その誘導自体も定番の不等式なので、経験があれば即沈みます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 例題について ...

2022/7/10

面積評価の工夫【k乗数の相加平均】【1990年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(1^{k}\) から \(n^{k}\) までの \(k\) 乗数の相加平均に関する不等式証明の問題です。 見慣れない記号に圧倒されるかもしれませんが、紐解いていけば、これまでの学習が活かせるような形が現れるはずで、それを見落とさずに捌いていきましょう。 とは言え、最後まで完答するためには 機械的なマニュアルではない、観察力 を要する部分もあるため、試験場で確保できると破壊力がある難易度です。 (以下ネタバレ注意)   + クリ ...

2022/6/28

相加平均と相乗平均の差【1997年度 滋賀大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x \gt 0\) ,  \(y \gt 0\) のとき相加平均と相乗平均の関係 \(\displaystyle \frac{x+y}{2} \geq \sqrt{xy}\) は基本中の基本ですが、この相加平均と相乗平均の誤差について考えていく問題です。 結論が示されている証明形式であるため、問題を解くこと自体は標準的な難易度です。 まずは例題でウォーミングアップをして、同じテーマを扱ってはいますがより手ごわい類題にもチャレンジしてみてく ...

2022/6/15

累乗根と大小比較【2002年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 5乗根に関する数の大小比較の問題です。 目に付いた特徴によって様々な解法が考えられるあたりが面白いところです。 結論自体に辿り着くことは決して難しくはないので、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 結論の予想 あたりをつけるために、\(n=1\) としてみると \(a=\sqrt[5]{2}-1\) ,  \(b=1\) ,  \(c=\displaystyle \frac{1}{5}\ ...

2022/3/18

2022年度 名古屋大学 理系第4問【抽象関数に関する定積分】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 抽象関数に関する定積分について扱った問題です。 2020年度にも名古屋大は抽象的な関数に関する微積分の本格的な問題を出題しています。 単純にゴリゴリ進めていく側面の強い微積分分野にあって、本問は機械的に処理する類の問題とは一線を画します。 本問はヒントと思われる誘導が至る所にありますが、多くの受験生はヒントと受け止め切れなかったと思われます。 訊かれていることを本当の意味で理解できた受験生はクリアーできるでしょうが、数は少ないでしょう。 今年 ...

2022/3/6

2022年度 東北大学 理系第3問【不等式証明とはさみうちの原理】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式証明からの、はさみうちの原理という流れ自体はパッと見で読み取れるでしょう。 ただ、(1) の不等式証明は 聞けば簡単だが、意外と単純ではない という問題で、案外バカにはできません。 腕力で押し切ることも可能ですが、工夫の余地はあります。 そのあたりは【解1】【解2】【解3】あたりでご確認ください。 (2) は (1) で証明した不等式を用いてはさみうちの原理で仕留めるんだろうな 形的に区分求積法が狙えそうだな ということになることは予見 ...

2022/3/2

2022年度 京都大学 理系第5問【面積計算と面積比の評価】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) ,  (2) は京大受験生であれば確保したい典型的な微積分の問題です。 (1) は実質 \(\displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^{3}x dx\) という積分計算に過ぎません。 (2) も \(f(t)=t\cos^{3}{t}\) と、即立式でき、 \(f'(t)=\cos^{2}{t}(\cos{t}-3t\sin{t})\) となります。 \(3t\sin{t}\) という関数 ...

2022/2/5

角度の評価【2013年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\tan{ \ }\) の値が与えられ、その角度に関する評価を考える問題です。 先日 という \(\cos{ \ }\) の値に関する評価問題を考えましたが、本問は \(\tan{ \ }\) にスポットが当てられています。 難易度は難関大に合格するためには試験場では確保したいレベルです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(\alpha\)が鋭角なのであれば という図を考えれば ...

2022/2/3

三角形の内角の評価【2012年度 広島大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな3辺の長さをもつ三角形の内角がどの程度の大きさなのかを見積もる問題です。 具体的な値が出てこないことに対する恐怖感を拭えない受験生は多く、本問はキッチリと差がつく標準問題でしょう。 それにしても \(\angle \mathrm{A}\) という記号が不等号記号と一緒にされると見づらくてしょうがありません。 以下では単純に頂点 \(\mathrm{A}\) を見込む内角を単に \(A\) などと表すことにします。 (以下ネタバレ注意 ...

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