評価

2021/9/4

3次方程式の解の極限【2009年度 兵庫県立大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次方程式の解の極限について扱う問題ですが、口で言う以上の様々なテーマや教訓を含んでいます。 極限についてや、方程式の扱いについての実戦問題として得るものが多い良問だと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について これについては基本的な問題で、 ①:単調性と連続性 ②:代入して正となる値の存在 ③:代入して負となる値 の3点を確認します。 ②と③については今回は極限について考えれば十分 ...

2021/9/3

数値評価 第5講【log2の評価】【2007年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 「数値評価」シリーズの第5弾です。 このシリーズの一覧はこちら 今回は \(\log{2}\) という自然対数の評価です。 (1) という誘導設問がありますが、単純に使うと失敗します。 恐らくほとんどの人が最初失敗して、そこからリカバリーしきれるかどうかという勝負になるでしょう。 不等式の精度を高めるために(誤差を小さくするために)どのようにすべきか、という部分に脳みそをつかっていきたいところです。 (以下ネタバレ注意)   + ク ...

2021/8/25

不定方程式【誤差を埋める】【2017年度 北海道大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   例題の最終的なオチは与えられた2次式が平方数になるような \(n\) を求めるという問題です。 ノーヒントだと適度に差が付くレベルの問題になるでしょう。 例題は誘導があるため、本気で北大を目指している受験生であれば確保して然るべきレベルとなります。 一通り解いた後、ノーヒントで出題された場合の構想についても触れてみます。 類題は与えられた3次式が立方数になる \(m ...

2021/8/17

sinxに関する有名不等式【sinに関する数値評価】【2008年度 群馬大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sin{\displaystyle \frac{1}{2}}\) に関する数値評価の問題です。 (1) という誘導があるため、その誘導を利用すれば (2) の数値評価自体はそこまでひっかかることはないと思います。 厄介なのは (1) で、周期性を持つ \(\sin{x}\) の扱い、及び絶対値の処理をどのように処理するかという構想力が問われます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 結局 \(| ...

2021/8/10

定積分を扱う際のモノの見方【2005年度 神戸大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定積分を含んだ抽象的な関数に関する論証問題です。 定積分をどう捉えるかというのが本問のテーマではありますが、それに加えて、 抽象的な関数に関する心得 というものも今後の糧としたい教訓の一つとなります。   (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 今回考える \(\displaystyle \lim_{x \to 0}g(x)=\displaystyle \lim_{x \to 0} ...

2021/8/5

形が同じ2数の大小比較【隠れテーマ複数あり】【2009年度 早稲田大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 大小比較という問題ですが、今回与えられている2数は形が同じで、角度が \(x\) と \(y\) となっているか \(2x\) と \(2y\) となっているかの違いしかありません。 形が同じ2数の大小比較ということで、それにどう対応するかという問題です。 ただ、これは表向きの話題であり、この問題を完答するために必要な隠れテーマも複数あります。 最初から見えるテーマもあれば、解き進めていくうちにそのテーマ性を見抜かなければならない場面にぶち当 ...

2021/8/1

不定方程式【和と積が等しい整数の組】【2012年度 東京理科大学ほか】

問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 整数問題については 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い上げ 余りで分類 評価する(範囲を絞る) を意識するのが基本です。 その中で、 評価する(範囲を絞る) という項目を学ぶ例題として今回の話題である 「和と積が等しい整数の組」 を考える問題がよく使われます。 よくあるのは次のような「3変数」の場合です。 3変数の例題 例題:\(xyz=x+y+z\) を満たす自然数 ...

2021/6/5

不等式の証明【n変数の不等式】【1997年度 愛媛大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(n\) 個の数 \(x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) , \(x_{n}\) に関する不等式証明で、見た目はキレイに循環している形です。 見た感じ、差を取ってどうのこうのできるようには思えませんし、通分しようものなら大騒ぎになります。 この与えられた形を活かす方向で考えていきたいところです。 本問は解答自体はアッサリしており、 聞けば簡単、解くのは大変 というタイプの問題なので、ネタバレしてし ...

2021/6/2

√nの小数部分の評価【小数首位について】【2019年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\sqrt{n}=*.0***\cdots\) というタイプの数になるような \(n\) について考えよという問題です。 \(\sqrt{2}=1.4142\cdots\) ,  \(\sqrt{3}=1.732\cdots\) と近似値を覚えている範囲は限界があるでしょうから、どこかで論理的に導出する必要が出てきます。 難易度の感じ方に差がある問題だと思います。 この年の名古屋大学の受験生からは本問の出来は微妙だったという声がよく聞こえ ...

2021/4/25

和の評価方法【面積評価とはさみうちの原理】【1996年度 大阪大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のキーワードは「面積評価」です。 特に、和に関する評価、とりわけ ポイント 「計算できない \(\displaystyle \sum_{ \ }^{ \ }\) は面積評価」 というセオリーを心に刻んでほしいと思います。 このシグマは計算できないと判断した場合、等式を諦めて不等式を繋いでいきます。 計算できるかできないかの判断をつけるようにするためには できるものはできる と言える状態を作ることです。 勉強不足によって計算できないのか、人 ...

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