評価

2021/4/25

積分漸化式と極限【積分漸化式の作成】【不定形の解消】【2006年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 積分漸化式の作成からスタートし、その漸化式によって定まる数列についての様々な極限を考える問題です。 積分漸化式の作成法、極限を求める方針決定、不等式評価のポイント、漸化式との絡み、など様々なポイントが凝縮していますから、非常に勉強になる問題です。 ただし、ポイントが沢山あるがゆえに消化不良も起こしやすいので注意しましょう。 理系の現役生にとっては数Ⅲの完成度が合否に大きく影響します。 このぐらいのレベルになってくると、単元学習の段階で学習する ...

2023/6/11

調和級数とその応用【ケンプナー級数】【ある数字を含む項を除いた級数】【2021年度 東京工業大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 記号で書かれているために、読み取りづらい部分はありますが、 \(\displaystyle \frac{1}{1}+\displaystyle \frac{1}{2}+\cdots +\displaystyle \frac{1}{8}+\displaystyle \frac{1}{10}+\displaystyle \frac{1}{11}+\cdots \cdots \) というように、分母に数字 \(9\) を含む項を除いてできる級数は ...

2021/3/20

2021年度 東北大学理系第6問【e^xのテイラー展開の剰余項】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   いいか悪いかはおいておき、有名ネタである \(e^{x}\) のテイラー展開による剰余項をもとにした問題で、類題もそれなりに多いため、まんまとは言わないまでも触れたことがあったという人もそれなりにいるかと思います。 (1) は数学的帰納法という路線には乗りたいところで、帰納法で進めるにあたり漸化式を作成しておくことが必要です。 積分漸化式については 積分漸化式作成の常套手段 部分積分で作成 というセオリーに従います。 (2) に ...

2021/3/8

2021年度 大阪大学理系第3問【定積分の不等式評価と極限】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   見た目がゴツいため、ウワっと思いがちですが、(1) ,  (2) まではやってみると見掛け倒しということが分かると思います。 問題は(3) です。 阪大受験生からすれば、 \(p\) ,  \(q\) を求めること自体はそこまで難しくはないと思われます。 ただ、その導出過程には気を付けたいところで、 \(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } (a_{n}-□n) = △\)  だから  \(p= ...

2021/4/21

eの関数的な評価【微分による不等式証明の工夫】【2016年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   2016年度東京大学理系第1問です。 ネイピア数 \(e\) の定義である \(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } (1+\displaystyle \frac{1}{x})^{x} = e\) という定義をもとにした問題であろうことは分かると思います。 この年あたりから東大の第1問は「きちんと勉強してきましたか?」というメッセージが聞こえてきそうな基本的な問題が続いていました。 とは言え、「 ...

2021/4/29

全称命題 第4講【整数問題の基本手法の運用に帰着】【1991年度 金沢大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   全称命題シリーズ第4講です。 シリーズ一覧はこちら 今回は第3講に引き続き整数問題に関する全称命題です。 全称命題に関する基本的な対応については第1講で扱っていますが、今一度ここでも確認します。 step1全称命題だと見抜く 「任意の」「どんな」「全ての」\(\cdots\) という類の言葉は発見のシグナルです。 step2「じゃあ \(\cdots\)」と屁理屈(考えやすい簡単なケース)を言って答えの候補(必要条件)を出す。 ...

2021/4/18

不定方程式【積の形から約数拾い】【2016年度 東京理科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     本問は不定方程式に関する基本的な確認から、少し対応力が必要な設問まであります。 整数問題の有力方針 積の形から約数の拾い 余りで分類 評価する(範囲を絞る) と、整数問題に対する有力な方針は3つあります。 もう少し単純な例題で確認したい方は以下に折りたたんでおくので、「+マーク」をクリック(タップ)して確認してみてください。     + クリック(タップ)して続きを読む 積の形から約数の拾い上げ ...

2021/4/18

整数問題【評価の工夫】【行き詰まったときのリカバリー】【2007年度 大分大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   パッと見の見た目としては「例題チック」な印象を受けます。 ある程度の演習をこなして、色々な「凝った問題」に触れてきた人からすると、本問の見た目は「そそる」ようなものではないかもしれません。 実際 (1) はテンプレ的な問題です。 ただ、(2) は結構難しいと思います。 閃き一発系の方針もあれば、愚直に前進していくルートもあります。 そういった意味で、勉強にはなると思いますし、得られるものもあると思います。 ぜひ一度考えてみてくだ ...

2021/4/18

和の極限【形から次の一手を見出す】【2003年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   シンプルな中に芯がある、京大らしい問題です。 和に関する極限についてインスピレーションするものとしては 和の極限の有力方針 ①:求められない \(\sum_{ \ }^{ \ } \) →  面積評価 ②:区分求積法 などが考えられます。 ① についてですが、面積評価をするにあたって \(y=(-1)^{x} (\displaystyle\frac{x}{2n})^{100}\) のグラフがかけません。 ② についても直接の運用 ...

2021/4/29

定積分と不等式評価 第5講【eの無限級数表示】【2004年度 高知大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   定積分と不等式評価の第5講です。 このシリーズの一覧はこちら 今回はネイピア数 \(e\) の無限級数表示がオチの問題です。 背景には \(e^{x}\) のテイラー展開(マクローリン展開) \(e^{x}=1+\displaystyle\frac{x}{1!}+\displaystyle\frac{x^{2}}{2!}+\displaystyle\frac{x^{3}}{3!}+\cdots\) があります。 しかし、それを前 ...

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