解答速報

2021年度 東北大学理系第6問【e^xのテイラー展開の剰余項】

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いいか悪いかはおいておき、有名ネタである \(e^{x}\) のテイラー展開による剰余項をもとにした問題で、類題もそれなりに多いため、まんまとは言わないまでも触れたことがあったという人もそれなりにいるかと思います。

(1) は数学的帰納法という路線には乗りたいところで、帰納法で進めるにあたり漸化式を作成しておくことが必要です。

積分漸化式については

積分漸化式作成の常套手段

部分積分で作成

というセオリーに従います。

(2) については積分区間を利用し、「体の一部を定数化」という言葉で、

\(\displaystyle \frac{(a-x)^{n} e^{0}}{n!} \leq \displaystyle \frac{(a-x)^{n} e^{x}}{n!} \leq \displaystyle \frac{(a-x)^{n} e^{a}}{n!}\)

と評価します。

(3) で扱う形から、(1) ,  (2) において \(a=1\) とすればよいということは当然目に付くと思います。

今回の \(n\) については「解く」というよりも「見つける」というニュアンスが強いかと思います。

定積分と不等式評価については

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でシリーズものとして扱っていますので、そちらも適宜ご活用ください。

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