今回は「ワイエルシュトラスの置換」と呼ばれる有名な置換を用いた問題を扱います。
ワイエルシュトラスの置換とは
ワイエルシュトラスの置換とは
ワイエルシュトラスの置換
\(\tan{\displaystyle \frac{\theta}{2}}=t\) とおいたとき、
\(\sin{\theta}=\displaystyle \frac{2t}{1+t^{2}}\)
\(\cos{\theta}=\displaystyle \frac{1-t^{2}}{1+t^{2}}\)
\(\tan{\theta}=\displaystyle \frac{2t}{1-t^{2}}\)
と表せる。
というものです。
ありがたみについて
ワイエルシュトラスの置換のありがたいところは
ココがありがたい
三角関数の式を、有理関数として表すことができる。
ということです。
三角関数よりかは整式を含む有理関数の方が計算上扱いやすいことは言うまでもないと思います。
注意点
例えば
\(\displaystyle \int_{ \ }^{ \ }\displaystyle \frac{\cos{x}}{1+\sin{x}} dx\)
などもワイエルシュトラスの置換によって倒すことができますが、この場合は
\(\displaystyle \int_{ \ }^{ \ }\displaystyle \frac{(1+\sin{x})'}{1+\sin{x}} dx=\log{|1+\sin{x}|}+C\)
と見た方が遥かに早いです。
ワイエルシュトラスの置換については、どちらかと言うと
思いつかなかったら腕力でねじ伏せる
という路線の道具というニュアンスです。
あるいは今回用意した問題のように、「誘導として準備してある」といった場合でしょうか。
誘導がありがた迷惑になることもあり得るとは思いますので、余り依存しすぎるのも考えものだということはご承知おきください。
応用例
今回用意した問題は
積分計算への応用(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
方程式への応用(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
最大最小問題への応用(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
不等式への応用(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
です。
それぞれにおいて、ワイエルシュトラスの置換が効いていることを確認するとともに、その有用性を実感していただけたらと思います。
なお、ワイエルシュトラスの置換についての説明は
【積分計算への応用】の中で解説しており、あとは重複するので省略しています。