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定積分を含んだ抽象的な関数に関する論証問題です。
定積分をどう捉えるかというのが本問のテーマではありますが、それに加えて、
抽象的な関数に関する心得
というものも今後の糧としたい教訓の一つとなります。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 今回考える \(\displaystyle \lim_{x \to 0}g(x)=\displaystyle \lim_{x \to 0}\displaystyle \frac{1}{x}\displaystyle \int_{0}^{x}f(t)dt\) は \(\infty \cdot 0\) というタイプの不定形です。 少し見方を変えて \(\displaystyle \lim_{x \to 0}\displaystyle \frac{\displaystyle \int_{0}^{x}f(t)dt}{x}\) と見ると、\(\displaystyle \frac{0}{0}\) というタイプの不定形です。 不定形解消の手段としては\(\displaystyle \frac{0}{0}\) の方が手立てが多いため、この形で見たくなります。 目がチカチカするので、\(h(x)=\displaystyle \int_{0}^{x}f(t)dt\) とおくと、 \(\displaystyle \lim_{x \to 0}\displaystyle \frac{h(x)}{x}\) と見て、「微分の定義」によって仕留める方針が睨めます。 そうなると、 \(\displaystyle \lim_{x \to 0}g(x)=\displaystyle \lim_{x \to 0}\displaystyle \frac{h(x)-h(0)}{x-0}\) と見ることになります。 勢い、 \(\displaystyle \lim_{x \to 0}\displaystyle \frac{h(x)-h(0)}{x-0}=h'(0)\) としたくなる気持ちも分かりますが、 \(\displaystyle \lim_{x \to a}\displaystyle \frac{f(x)-f(a)}{x-a}\) という極限値が存在したとき、その極限値を \(f'(a)\) と呼ぶ。 というのが本来の記号の意味です。 そのあたりの記述の仕方については気を付けながらまとめたいところです。 定積分をどのように見るかによって、方針が変わってきます。 面積で評価するわけですから、視覚的に処理する方針となります。 抽象的な関数を視覚的に考える際は どんな意地悪な図でも大丈夫か ということに注意しながら進めていく必要があります。 \(f(x)\) の原始関数を \(F(x)\) として、\(g(x)=\displaystyle \frac{\displaystyle \int_{0}^{x}f(t)dt}{x}\) を \(g(x)=\displaystyle \frac{F(x)-F(0)}{x-0}\) と見ると、平均値の定理がインスピレーションされます。 方針的には \(g'(x) \gt 0\) を目指すのが自然であり、その方針をとって手なりに進めると (2) で示した内容が自然と効いてきます。 \(f(x)\) や \(g(x)\) が具体的に与えられているわけではないので、 使ってよいことや、根拠としてよいこと をしっかりと押さえながら話を進めていく必要があります。 抽象的な関数については、条件を満たす範囲の中で どんな意地悪をされても大丈夫? ということを意識しながら記述していくことが大切です。(1) について
(2) について
定積分を面積と捉えると
定積分を原始関数の「差の形」と捉えると
(3) について
総合的に