実践演習 極限・微分積分系

特殊な置換を用いた極限【ノーヒントの場合の考察あり】【2016年度 宮城教育大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

三角関数による置換を用いた極限に関する問題です。

例題としてもってきた問題は丁寧な誘導がついているため、誘導に従っていけば完答することも難しくはないはずです。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

\(\theta_{n+1}=-\displaystyle \frac{1}{2} \theta_{n}+\displaystyle \frac{\pi}{2}\) という漸化式を解くわけです。

これについては特性方程式を用いて処理するド定番の基本的漸化式なので、落とすことは許されません。

後半の不等式証明についても、漸化式が手元にある状態での証明問題ということで

数学的帰納法

という路線は秒で思いつきたいところです。

(2) について

\(\cos{\theta_{n+1}}=\cos{-\displaystyle \frac{1}{2} \theta_{n}+\displaystyle \frac{\pi}{2}}\) ですから

\(\cos{\theta_{n+1}}=\sin{\displaystyle \frac{\theta_{n}}{2}}\)

が成立します。

ここから、証明すべき内容に目を向けると、半角公式

\(\sin^{2}{\displaystyle \frac{\theta}{2}}=\displaystyle \frac{1-\cos{\theta}}{2}\)

を変形した

\(1-\cos{\theta}=2\sin^{2}{\displaystyle \frac{\theta}{2}}\)

でトドメを刺すことになるでしょう。

(3) について

やはり、漸化式が手元にあるので数学的帰納法で仕留める路線が自然でしょう。

(4) について

ここまでくるとほとんどオマケ的設問です。

本問をノーヒントにすると

本問は丁寧な誘導があったため、標準的な練習問題と言ってよいと思いますが、

ノーヒント

\(a_{1}=\sqrt{2}\) ,  \(a_{n+1}=\sqrt{|2-a_{n}|}\) で定まる数列 \(\{a_{n}\}\) に対して

\(\displaystyle \lim_{n \to \infty}a_{n}\)

を求めよ。

という問題だと、\(a_{n}=2\cos{\theta_{n}}\) という置き換えが見えないため、難易度が上がります。

ノーヒントでどのように解くかについては、一度ご自身で考えて見てから【総括】とその後の【参考】をご覧ください。

類題について

類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題に比べて骨があります。

趣旨は大きくは変わっていませんが、三角関数に関する運用力が必要です。

今回は \(\displaystyle \lim_{n \to \infty}\theta_{n}\) が訊かれていますが、

\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n}=\sqrt{2+\sqrt{2+\sqrt{2+\sqrt{2+\cdots}}}}\)

について訊いた方が結論的にインパクトがありそうです。

なぜ東大が \(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n}\) ではなく、\(\displaystyle \lim_{n \to \infty}\theta_{n}\) の方を訊いているかというと、

\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n}\)であれば、ノーヒントでもできなくはない

からです。

これについても例題同様、【総括】のあとの【参考】をご覧ください。

なお、\(\displaystyle \lim_{n \to \infty} a_{n}\) ではなく、

\(a_{n}\) を求めよ。

という問題であった場合、この置き換えをするしかなく、ノーヒントでは絶望的になります。

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