解答速報

2024/3/8

2024年度 東京大学理系第6問【代入値が素数となる条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 3次式への代入値が素数となる条件に付いて考察する問題です。 (1) は具体的な場合であり、 \(f(n)=n(n^{2}+10n+20)\) と因数分解できますので、これが素数となるとしたら \(n=1\) \(n=-1\) \(n^{2}+10n+20=1\) \(n^{2}+10n+20=-1\) という4パターンに限られます。 あとはこれを個別検証していくことになります。 難易度的に (1) は落とせないでしょう。 (2) も (1) ...

2024/3/7

2024年度 東京大学理系第5問【空間の三角形の回転体】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間における三角形の回転体の体積というシンプルな題意です。 空間座標における回転体の体積は東大頻出のトピックスで、凝ったものから標準的なものまで出題されてきましたが本問は標準寄りの問題です。 過去問を通じて演習を積み、しっかりと仕上げてきた受験生であれば心理的に慌てずに立ち向かえたと思います。 一般に 空間座標における回転体の扱い方 全体像を捨てろ 切ってから回す(先に回すな) 回転の中心からの最大距離・最小距離を捉える がポイントになる点で ...

2024/3/6

2024年度 東京大学理系第4問【放物線と接する円】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と接する円に関する座標の問題です。 放物線と円が接点を共有し、共通接線をもつときを考えるわけですが、目につく方針が色々あるため、目移りするかもしれません。 円 \(C_{t}\) の方程式を立式するために必要な中心の座標、半径 (の2乗)を (1) で考えることになります。 したがって、ここを落とすと (2) まで被害が及ぶため、計算ミスが命取りとなります。 (2) は正しく計算できれば、結局は4次方程式の実数解の個数の問題に帰着するの ...

2024/3/2

2024年度 東京大学理系第3問【対称性のある確率漸化式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 座標平面上を\(x\) 軸、\(y\) 軸、\(y=x\)、\(y=-x\) を対称軸として対称移動していく動点 \(\mathrm{P}\) に関する確率の問題です。 良心的な誘導設問があるため、その誘導にきちんと乗れれば完答も無理はないレベルでしょう。 本問は \(p_{n}\) などの設定が問題文の段階では設定されていないため、漸化式を導入するか否かという判断は自分ですることになります。 本問は動点 \(\mathrm{P}\) は限ら ...

2024/2/29

2024年度 東京大学理系第2問【絶対値付きの定積分とtan置換】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 絶対値付きの定積分で表された関数の最大値と最小値を求める問題です。 絶対値を外すにあたって本来であれば場合分けが必要ですが、\(0 \leq x \leq 1\) によって \(\displaystyle \int_{0}^{x} \displaystyle \frac{|t-x|}{1+t^{2}}dt+\displaystyle \int_{x}^{1} \displaystyle \frac{|t-x|}{1+t^{2}}dt\) と区 ...

2024/2/28

2024年度 東京大学理系第1問【空間座標における角度の処理】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における角度の扱いをシンプルに訊いています。 座標において角度を扱う手法としては、様々な方法がありますが、空間座標においては ベクトルの内積を用いて \(\mathrm{cos}\) 経由で処理する という路線が最有力の路線です。 今回の角度は符号付きの角度ではないため、\(0\) から \(\pi\) までの角度で考えればよく、この範囲で\(\mathrm{cos}\) は単調減少ですから 条件 (ⅱ) は \(\cos{\angl ...

2023/4/11

2023年度 名古屋大学 理系数学【総評と感想】

2023年度名古屋大学理系 各解説記事 150分 4題 記述式 と形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:複素数と方程式、複素数平面(Ⅲ) 第2問:図形と方程式、微分法・積分法、極限(Ⅲ) 第3問:微分法(Ⅲ) 第4問:式と証明、数列 3題が数Ⅲの内容を含む出題となりました。 また、頻出分野である場合の数・確率からの出題がなく、これは2002年以来のことです。 各大問について 第1問(標準) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上の円周上の点が表す複素数を ...

2023/4/11

2023年度 名古屋大学 理系 第4問【第1種スターリング数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 第1種スターリング数を扱った問題ですが、多くの受験生にとって初見だと思います。 一般に、数列 \(\{a_{n}\}\) に対して \(\displaystyle \sum_{n=0}^{\infty}a_{n}x^{n}=a_{0}+a_{1}x+a_{2}x^{2}+\cdots\) を数列 \(\{a_{n}\}\) の母関数と言います。 例えば、 \({}_n \mathrm{ C }_0+{}_n \mathrm{ C }_1 x+ ...

2023/4/9

2023年度 名古屋大学 理系 第3問【方程式の実数解の個数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 方程式の実数解の個数について考えるという問題で、テーマとしては定番寄りの話題です。 微分法を用いてグラフの概形を捉え、方程式の解を視覚化することで共有点の個数を考えるという点で、方針面では迷う余地はありません。 ただ、与えられた方程式をどのような形で見るのが最善なのかという点で、アタフタする部分があるかもしれません。 与えられた方程式をどのように見ても、一応解けるには解けますが、最適な道を行こうと思うと、問題全体を俯瞰する必要が出てきます。 ...

2023/4/9

2023年度 名古屋大学 理系 第2問【2円で囲まれる部分のx軸回転体】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2円が相異なる2点で交わるとき、2円で囲まれる部分の \(x\) 軸回転体の体積について考える問題です。 文字を多く含み、計算量が多少あるものの少なくとも (2) ,  できれば (3) までは何とか辿り着きたいところです。 (4) は (3) で得た \(V(r)\) を \(r\) で微分し、\(V'(r)\) を計算して増減表を得ることができれば解決なので、方針面では迷う余地はありませんが、かなりエグイ計算に襲われます。 \(r=a-b ...

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