解答速報

2023/3/27

2023年度 北海道大学理系第5問【円の接線に関する対称点】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円の対称点について色々味付けがしてある問題です。 (1) ,  (2) までは何とか確保したいレベルです。 (3) も \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{P}\) ,  \(\mathrm{D}\) が同一直線上にあるという共線条件の翻訳さえできれば、(1) で考えた方程式が現れますので、前半の存在性についての証明は終わっているに等しい問題です。 難しいのは後半の一意性の証明です。 気がつけばそこそこの計算量で収まる路線 ...

2023/3/26

2023年度 北海道大学理系第4問【さいころの目で定まる値に関する確率】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) さいころの目によって定まる値のとり得る値に関する考察問題で、見かけで怯んでしまう受験生も多そうです。 文系との一部共通問題で、文系では \(K_{2}=5\) となる確率を求めよ。 というさらなる実験的設問がありましたが、理系ではカットされています。 (1) の \(K_{3}=5\) という場合でもよく見えなかった場合、自分で \(K_{2}=5\) という場合も考えてみるのも一つの手で、とにかく実際に手を動かす中で要領を掴むことが大切です ...

2023/3/24

2023年度 北海道大学理系第3問【2変数についての方程式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) グラフを用いて方程式の解について考察する問題です。 (1) は非常に基本的かつ定番の問題であり、(2) 以降の足掛かりとなる問題であるためこれを落とすことは許されないでしょう。 実質的には (2) 以降が勝負です。 (1) の関数 \(f(x)\) を用いると、(2) で与えられている等式は \(f(x)f(y)=c\) という形で表されています。 ここから何をしてよいのか戸惑ってしまう受験生もいたかもしれません。 (1) の結果を活用しよう ...

2023/3/23

2023年度 北海道大学理系第2問【球と直線の2交点】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 空間座標における球面、平面、直線に関する問題です。 手始めに球の中心と平面 \(\mathrm{ABC}\) との距離を求め、次に球の中心の座標を求め、オチは球と直線の2交点の距離を求めるという流れです。 計算量、難易度はともに標準的で、今年 (2023年) のセットの中では唯一無理のない範囲で完答が狙える問題です。 律儀に \(x\) 軸、\(y\) 軸、\(z\) 軸を書いてやろうとすると見にくく使い物にならない絵を貴重な時間を割いて書く ...

2023/3/21

2023年度 北海道大学理系第1問【複素数平面上の図形列】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数平面上で帰納的に定まる図形の列について考える問題です。 試しに \(C_{1}\)から \(C_{2}\) を作ってみると、構造や要領がつかみやすいと思いますし、 それができるなら \(C_{n}\)から \(C_{n+1}\) を作るのもできるはずです。 変換の意味を考えてみると、 \(\displaystyle \frac{1}{2}\) 倍縮小&平行移動 で、半径がどんどん半分になっていく円であることは想像できる人にはできるのでし ...

2023/3/20

2023年度 九州大学 理系数学【総評と感想】

2023年度九州大学理系 各解説記事 150分 5題 記述式 と、形式に変更はありません。 分野的トピックス 第1問:複素数と方程式 複素数平面(Ⅲ) 第2問:数列 第3問:ベクトル 第4問:微分法(Ⅲ) 第5問:微分法・積分法(Ⅲ)   第4問は文章を読んで、その内容の補足や証明について考えるという形式の問題で、この形式での出題は2年連続となりました。 各大問について 第1問(やや難) 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 相反方程式と、複素数平面における三角形の形状 ...

2023/3/20

2023年度 九州大学理系第5問【パラメータ表示で与えられた曲線についての面積】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) パラメータ表示で与えられた曲線についての面積を考える問題です。 やること自体は一本道であるため、方針面ではそこまで迷うことはないのですが、途中で出てくる数値がお世辞にもキレイではないため、不愉快な計算に襲われます。 細かな部分まで詰めようとすると結構神経を使うため、気疲れします。 グラフの概形的に面積をどう捌くかが問題で、面積の立式さえできれば積分計算自体は標準的なものですが、筋の悪い方向にいってしまい収拾がつかなくなってしまう受験生もそれな ...

2023/3/18

2023年度 九州大学理系第4問【関数方程式と微分についての論証】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) リード文を読み、下線部に関連する事柄を証明したり、補足させたりするといった形式であり、従来の「問題解決型」の問いというより、「基本深掘り型」の問いです。 昨年 (2022年) にこの形式が出題されて、2年連続でこの形式の問題が出題されました。 今年は関数方程式と、微分に関する論証問題です。 昨年の講評で 今後こういった問題が入ってきて、それが九州大の数学の目玉になるのかどうかというのは、来年以降注目したいところでしょう。 と述べましたが、2年 ...

2023/3/16

2023年度 九州大学理系第3問【任意の格子点が斜交座標においても格子点となる条件】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ベクトルに関する論証問題ですが、1次変換に伴う斜交座標への変換という話題を扱っており、現行課程に行列がないため受験生はイメージが掴みにくいでしょう。 成分を用いて噛み砕いていくことで、数式的に処理していけますので、特別な知識は必要ありません。 ただ、問題の条件を適切に咀嚼する顎の力が必要です。 また、最後の (3) は全称命題としての独特の捌き方をします。 「任意の(全ての)」や「存在する」といった言葉をきちんと汲み取る力も求められ、文字も多 ...

2023/3/15

2023年度 九州大学理系第2問【絶対値のついた漸化式】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 漸化式は2項間漸化式なのですが、絶対値が付いているという点で面食らう受験生も多かったと思います。 こういった得体のしれない漸化式については、 実験して情報や要領をつかみ取る という態度で愚直に調べていくしかありません。 何かうまい方法はあるか と式変形に固執してしまうと身動きがとれなくなります。 試験場補正もかかりやすく、論述も手慣れていないとうまく記述しづらいため、完答しづらい問題です。 問題自体は面白く、思考力を鍛える教材としては積極的に ...

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