解答速報

2022年度 東北大学 理系第3問【不等式証明とはさみうちの原理】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

不等式証明からの、はさみうちの原理という流れ自体はパッと見で読み取れるでしょう。

ただ、(1) の不等式証明は

聞けば簡単だが、意外と単純ではない

という問題で、案外バカにはできません。

腕力で押し切ることも可能ですが、工夫の余地はあります。

そのあたりは【解1】【解2】【解3】あたりでご確認ください。

(2) は

  • (1) で証明した不等式を用いてはさみうちの原理で仕留めるんだろうな
  • 形的に区分求積法が狙えそうだな

ということになることは予見できます。

ただ、そのまま単純に (1) を運用すればいいというわけにもいかず、一山ある問題です。

ひとまず、(1) の不等式に \(\displaystyle \frac{k}{n^{2}}\) をぶち込みたくなるでしょう。

\(\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{k}{n^{2}}}{2+\displaystyle \frac{k}{n^{2}}} \leq \sqrt{1+{\displaystyle \frac{k}{n^{2}}}}-1 \leq \displaystyle \frac{k}{2n^{2}}\)

となり、\(k=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots \ , \ n\) を代入し、辺々加えると

$$\displaystyle \sum_{k=1}^{n}{\displaystyle \frac{\displaystyle \frac{k}{n^{2}}}{2+\displaystyle \frac{k}{n^{2}}}} \leq \displaystyle \sum_{k=1}^{n}(\sqrt{1+{\displaystyle \frac{k}{n^{2}}}}-1) \leq \displaystyle \sum_{k=1}^{n}{\displaystyle \frac{k}{2n^{2}}}$$

となり、最右辺については区分求積法が狙える形ですが、最左辺が問題です。

ここから、色々いじくっても埒が明かないでしょう。

等式をあきらめて不等式をつなぎ、最左辺をさらに小さくしようという「評価する気持ち」がもてたかどうかが問題です。

このあたりを試験場で冷静に捌けるかというと難しいと思います。

もちろん、数学に自信のある腕っぷしの方々からすれば「えっ、何が難しいの?」となるかもしれませんが、一般的には大きく差がつく要素でしょう。

解答はコチラ

-解答速報
-, , ,

© 2024 MathClinic