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実践演習 極限・微分積分系

回転体の回転体【タイヤの回転体】【2011年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

平面内の長方形を回転させ、出来上がった回転体をさらに回転させるという問題です。

空間座標における回転体に習熟している必要があり、やるべきこと(目の付け所)がしっかりと自分のものになっていれば確保できますが、そうでない場合はインプットをしっかりとした上で、アウトプットをこなすことで「血となり肉となる」状態を作り上げましょう。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

(1) については xy 平面内の長方形の x 軸回転体です。

円柱から円柱をくり抜いた立体となり、体積計算するにあたり積分計算は不要でしょう。

どちらかと言うと大学入試というよりも、高校入試レベルです。

V(s) の式を Get できれば、あとは微分して増減を調べるだけです。

計算すれば、s=0V(s) は最大となることが分かります。

(2) について

(1) で s=0 のときを考えることになります。

このときの長方形 R_{0} は正方形となり、

のようになります。

これを x 軸について回転させた図形を考えますが、見やすく整理するために

というように

x \gt 0y \gt 0z \gt 0

の範囲で考えることにします。

空間座標の回転体の処方箋

一般に

空間座標における回転体の扱い方

  • 全体像を捨てろ
  • 切ってから回す(先に回すな)
  • 回転の中心からの最大距離・最小距離を捉える

がポイントになる点です。

※  全体像を捨てろと言っているのに絵を描いたじゃないかと言う人へ

あくまで、「回転後の全体像を捨てろ」ということであり、

「回転前の全体像(何を回転させるのか)」

については把握している必要があります。

切ってから回す(先に回すな)

  • 回してから切って断面を捉える
  • 切ってから回したものが断面になっている

どちらが考えやすいかは言うまでもありません。

前者は先に回しているせいで、訳が分かりません。

切ってから回します。

今回のタイヤ(回転前の立体)を y=t で切ると

という 2 つの場合分けが生じます。

回転の中心からの最大距離・最小距離を捉える

という長方形を y 軸まわりに 1 回転させると

という円環(ドーナッツ)部分が断面ということになります。

一方、

という長方形を y 軸のまわりに 1 回転させると

という円環(ドーナッツ)部分が断面ということになります。

このように、回転の中心 (0 \ , \ t \ , \ 0) からの

回転の中心 (0 \ , \ t \ , \ 0) からの

  • 最大距離が外側の半径
  • 最小距離が内側の半径

を司る

ということになります。

最小距離を『取っ手』が付いていると思って、その取っ手を持ってぶん回すと考えるとイメージしやすいと思います。

場数を踏みたい方へ

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