場合の数・確率

2021/4/20

隣り合わない円順列【極限との総合問題】【2011年度 滋賀医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   円順列を題材として、最後は極限の計算技能まで見る欲張りな問題です。(実践演習としては誉め言葉です。) 円順列の基本は 円順列のポイント 誰か一人の目から見る ということです。 公式 \(n\) 人を円形に並べる方法は \((n-1)!\) 通り がありますが、この「\(-1\)」というのはまさに「誰か一人の目から見て残りの \(n-1\) 人がどうなっているかが問題である」という現れです。 式の形に意味付けができれば、覚える(頭 ...

2021/4/18

正n角形の頂点によって作る三角形【2017年度 同志社大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   この手の問題は多くの問題集などにも収録されており、一度は経験したことのある人も多いでしょう。 また、正六角形や正八角形など、具体的な問題はやったことがあるという人も多いでしょうが、一般論として考えたことがある人はそこまで多くないのではないかなと思います。 具体的な問題の場合、「具体的だからこそできる解法」が収録されていることも多く、今回一般論で考えてみることにより、この手の問題について一度整理してみてほしいと思います。 少なくと ...

2021/4/18

確率漸化式【設定する上での工夫】【2015年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   確率漸化式の標準問題の多くは、基本的な漸化式の処理力があれば、どちらかというと得点源になる分野です。 本問の場合、機械的な態度になりがちなこの分野の問題において、思考要素を含む問題であり、面白い良問だと思います。 確率の問題では 漸化式を導入するかどうか ということは、方針決定において非常に大きな選択です。 通常の問題であれば、 「~~の確率を \(p_{n}\) とおく」 「\(p_{n+1}\)  を  \(p_{n}\)  ...

2021/4/18

復元抽出による番号についての考察【2019年度 秋田大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   復元抽出(元に戻して取り出す)について扱う問題です。 今回は箱から番号付きのカードを取り出すという設定ですが、サイコロを振るということについてもある意味復元抽出と同じと見なすことができます。 サイコロを振るのも、箱から1~6の番号付きのカードを元に戻しながら取り出すのも同じことですから。 そういった意味で、目先のカードだのサイコロだのにとらわれることなく、復元抽出という大きな括りでの話題だと整理しておき、いざ出題されたときは判断 ...

2021/4/18

サーブ権のあるゲームの得点推移【急所をいかに捉えるか】【2013年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     昔のバレーボールなどで採用されていた「サーブ権」をネタにした問題です。 今のバレーボールはラリーポイント制で、攻撃が決まったら即得点が入ります。 昔はサーブ権をもったチームのサーブから始まり、攻撃が決まれば得点、逆に攻撃を決められたらサーブ権が相手に移るだけというルールでした。 自分が小さいときはまだバレーボールはサーブ権があった記憶があります。 今の世代の受験生はピンとこないかもしれませんね。 (以下ネタバレ注意 ...

2021/4/18

ランダムウォーク【事象の内訳を捉える】【2017年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   原点からスタートし、ある確率に従って進む方向が決まるという、よくある設定の問題です。 本問は2017年度の東大の問題ですが、この年は例年に比べ基本的な問題が多く、とりこぼしが致命傷になるような問題が並んでいた年でした。 そんな中の一問が本問であり、難易度としては基本的だと思いますが、「試験場補正」がかかりかねない問題だとも思います。 場合の数や確率は、試験場においては 「計算上、出てきた数値を信じるしかない」 という側面があると ...

2021/4/17

事象の噛み砕き【方針決定】【対称性の活用】【1995年度 北海道大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   ランダムウォークという種類の問題で、本問は言ってみたら \(x=2\) というカーペットの上を通過する確率です。 結局「具体的に何が起こればよいのか」と噛み砕く力や、それを的確に表現する力が必要になります。 確率を勉強するにあたり、本当に磨かなければならないのはこういった根本的な部分です。 本来場合の数・確率の分野は目の前の事象を分析し、何が起こればよいのかを見抜く「その場力」が求められる分野です。 それに対して \(n\) 個 ...

2021/4/17

リセットありの得点【積まれたブロックの高さが得点】【2007年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   リセットがあるというのが特徴のゲームについて考えます。 ブロックではなく、座布団であれば、本問は笑点です。   (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 高さが \(m\) とは、「最後にリセットされてから \(m\) 回連続で表が出る」ということです。 その前の途中経過は関係ありません。 (2)についても、高さが \(m\) 以下とは 高さが  \(0\) , \(1\) , \(\c ...

2021/4/17

サイコロの目によって作られる無限小数【難問】【1990年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     1990年度の東京大学の問題で、この年は東大の歴代前期試験の中でも凶悪な難易度を誇った年として有名です。 この問題も強靭な思考力と粘り強さ、そして考えを的確に表現する力など、かなりの総合力を求められます。   「十分な回数サイコロを投げ、出た目を末尾にどんどん追加して作った数字が、\(\alpha\) 以下となる確率」 と、題意としてはシンプルですが、やってみると  " 言葉にできないもどかしさ "  を ...

2021/4/17

確率についての分野融合問題【条件付き2変数関数との融合問題】【1992年度 大阪大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   本問は確率の要素はあまりなく、\(P (a,b,c)\) を立式すること自体そんなに難しくありません。 問われているのは、その立式後の「式の扱い」についてです。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ココがポイント \(ab+bc+ca=\frac{1}{2}\{(a+b+c)^2-(a^2+b^2+c^2)\}\) はたびたび登場する式変形なので、常識化しておきたいところです。 そもそもなの ...

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