場合の数・確率

2021/8/4

取り除かれるコイン【問題の整理と分類】【2002年度 一橋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルなルールで題意も把握しやすいですが、やってみると「うるさい」問題です。 MathClinic を活用して勉強していただいている人は「あれ?これってもしかして \(\cdots\)」とピンとくるものがあると思います。 (というかピンとくるものがあってほしいという願望と期待) (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について まずはこのゲームの要領を肌で感じてくださいという実験的な設問です。 \( ...

2022/1/4

いびつなサイコロ【不変量に注目】【2008年度 東京工業大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 各面が等確率で出ないサイコロを考えるという設定で、この設定にバリバリ慣れ親しんでいますという人は多くはないでしょう。 昔名古屋大学で直方体のサイコロに関する論証問題がありましたが、本問は直方体とも限らないということで攻め崩す急所をどのように見出していくかが問われます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(k=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots \ , \ 6\) として、\ ...

2021/8/2

大小関係の決まった順列【取り出した番号が単調増加となる確率】【2015年度 滋賀大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 単元学習や定期考査段階では上級テーマに位置づけられる問題です。 ただ、入試の実戦段階では定番のテーマであり、対応できてほしいタイプの話題です。 (1) ,  (2) は基本で、 (3) ,  (4) が今回のテーマである「大小関係の決まった順列」を扱った設問です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 取り方の総数は \(9^{4}\) 通りです。 このうち、4回とも異なる数字を取るという ...

2021/7/30

通・不通問題【到達可能かどうかを考える】【2013年度 学習院大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 頂点を結ぶ線分が「通れるか通れないか」がランダムに決まり、最終的にある頂点からある頂点へ「到達可能か」を考える問題です。 今回3題もってきましたが、扱う図形は様々です。 様々であるがゆえにマニュアル的な態度ではなく、その図形的特徴を考慮してその場で急所を掴んでいく 「その場力」 がものを言う問題でしょう。 例題は ...

2021/7/11

蛇経路【経路問題の難問】【1994年度 千葉大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 定番の経路問題をベースとして、プラスアルファの思考要素が入った問題です。 (1) は落としたくないレベルですが、(2) は難問です。 東大に現役で合格するような受験生でも、このタイプは初見だと四苦八苦します。 逆に、割合は少ないですが、あっさりと解決してしまう人もいるので見える人には見えるのでしょう。 なお、(2) のモデルケースを考えてみると、蛇みたいな経路に見えるので、蛇経路と呼んでいます。 (私が勝手に呼んでいるだけで市民権はありません ...

2021/7/1

サイコロの出た目の最大公約数と最小公倍数【2020年度 北海道大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) サイコロを \(n\) 回投げ、出た目の最大公約数を考える問題です。 1991年度筑波大学、2007年度大阪大学、2016年度九州大学などでも出題されています。 特に、最大公約数が \(1\) となる場合をどのように処理するかはきっちりと差がつくでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 最大公約数が 3 とは 最大公約数が \(3\) ということは 毎回 \(3\) か \(6\) が出る というの ...

2021/6/26

正多面体の色の塗り分け【双対構造の利用】【2016年度 久留米大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 正多面体の色の塗り分け問題です。 よくあるのは立方体の色の塗り分けですが、本問は少しそれを発展させて正八面体の塗り分けを考えてみます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 円順列の基本 円順列(回転による一致)を考える際の基本は 誰か一人の眼から見て、他がどうなっているか ということです。 例えば、遊園地にあるコーヒーカップというアトラクションがありますね。 あれに、お父さん、お母さん、息子の3人が乗ると思ってください ...

2021/6/24

巴戦【状態を追えるかの判断】【2016年度 東京大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 巴戦という形式の勝者の決め方を題材にした問題です。 大相撲の千秋楽で同じ勝率の力士が3人いた場合に用いられます。 有名ネタであり、類題も散見されます。 本問のように、野球の試合で巴戦というのは時間的に相当かかるので1日でやるのは現実的ではないでしょうね。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 方針決定するうえで 確率の大きな方針決定の指針として 漸化式を導入するか否か ということが考えられます。 回を重ねて ...

2021/6/22

ポリアの壺【仮定を味方につける】【2007年度 産業医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ポリアの壺と呼ばれる有名問題です。 経験がないと、右往左往することになると思います。 結果自体は分かりやすく、インパクトがあるものですから今後の糧としてもよいと思います。 とは言え、難しさを実感したり、困難の素はどこにあるのかを実感し、それをどのように解決するかという数学を学ぶにあたり大切な態度を養ういい機会となる問題なので、初見であってもまずは限界まで考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ...

2021/6/11

取り出したカードの数が等差数列となる確率【2005年度 京都大学】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) とてもシンプルな問題ですが、いざ考えてみると難しく感じるという、いかにも京大らしい問題です。 愚直に押し切る方法と、見方を変えればあっさりと解決できる方法があります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 愚直に解くとなると \(n=3\) のとき \((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\)  \(\cdots\) 公差 1 \(n=4\) のとき \((1 \ , \ 2 \ , \ 3)\) ,  ...

© 2024 MathClinic