場合の数・確率系 実践演習

隣り合わない円順列【極限との総合問題】【2011年度 滋賀医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

円順列を題材として、最後は極限の計算技能まで見る欲張りな問題です。(実践演習としては誉め言葉です。)

円順列の基本は

円順列のポイント

誰か一人の目から見る

ということです。

公式

\(n\) 人を円形に並べる方法は

\((n-1)!\) 通り

がありますが、この「\(-1\)」というのはまさに「誰か一人の目から見て残りの \(n-1\) 人がどうなっているかが問題である」という現れです。

式の形に意味付けができれば、覚える(頭に入れる)負担が減ることになります。

(以下ネタバレ注意)

 

 

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円順列の基本は上述したように

「誰か一人の目から見る」

ということです。

解答的には誰か一人を固定して考えるということです。

(1) は、「じゃあ二人目は?」と二人目に集中すればいいだけです。

(2) については

隣り合わない並びの実現

  • 隙間に放り込む
  • 前後を埋める

という基本を考えたいと思います。

このあたりの考え方を含む実戦問題としては

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も考えがいがあり、得られるものも多い良問です。

本問ではまずは前者の「隙間に放り込む」という態度を考えます。

そうなるとまず空席を並べ、その空席の隙間に人を放り込むことを考えればよいでしょう。

(3) については (2) で得た式に \(n=m^{2}\) をぶち込んで計算を進めていくと \(1^{\infty}\) タイプの不定形が現れます。

直接計算に拘ると身動きが取れなくなるでしょうから、ここで評価する方向に柔軟に移行し、「はさみうちの原理」に照準を合わせます。

e にまつわる周辺事項

  • \(\displaystyle \lim_{ x \to \pm\infty } (1+\frac{1}{x})^x=e\)
  • \(\displaystyle \lim_{ x \to \infty } (1-\frac{1}{x})^x=\frac{1}{e}\)

については常識にしておきましょう。

そのあたりについて詳しく触れたいという方は

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