定積分は「値」
この話題を理解するにあたっては、積分計算において「生き残る文字」についてパッと読み取れる力が必要です。
例題
\(\displaystyle \int_{p}^{t} f(x) dx\) を計算した結果、残る文字を答えよ。
ここでいう積分変数 \(x\) はいわば「器の文字」です。
\(=\left[ F(x) \right]_p^t\)
\(=F(t)-F(p)\)
ですから、生き残る文字は \(p\) , \(t\) です。
もちろん、
例題2
\(\displaystyle \int_{0}^{1} f(x) dx\) を計算した結果、残る文字を答えよ。
だと、計算結果は「定数」になります。
このように、「器の文字」である \(x\) に色々ぶち込んでいくわけで、そのような認識が必要です。
本問において
例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
\(\displaystyle \int_{1}^{e}tf(t) dt\) は定数です。
そこで、\(k\) を定数として
\(\displaystyle \int_{1}^{e}tf(t) dt=k\)
とおくことで、
\(f(x)=2\log{x}-k\)
と、\(f(x)\) の形が具体的になります。
これにより、
\(\displaystyle \int_{1}^{e}t(2\log{t}-k) dt=k\)
という、\(k\) についての方程式が出てきます。
(\(k\) の方程式と見れるかどうかは上述の「器の文字」を見極める目が必要です)
結局は
- \(\displaystyle \int_{1}^{e}t\log{t}dt\)
- \(\displaystyle \int_{1}^{e}tdt\)
という定積分の処理に落ち着きます。
\(\displaystyle \int_{1}^{e}t\log{t}dt\) については部分積分によって処理することになります。
部分積分において \(\log{ \ }\) はワガママなやつで、\(( \ \ )'\) の服を着たがりません。
したがって
\(\displaystyle \int_{1}^{e}(\displaystyle \frac{1}{2}t^{2})'\log{t} dt\)
と見て、部分積分で処理していきます。
類題について
類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
例題の「the類題」です。
類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
こちらは、被積分関数(インテグラルの中身)に \(t\) , \(x\) という文字が入り混じっています。
ひとまずは積分変数が \(t\) であることから、\(x\) をインテグラルの外に摘まみだそうという一手間必要になります。
今回の場合は加法定理でバラすことで、\(x\) を含む部分を摘まみだそうということを目論みます。
例題の解答はコチラ
類題1の解答はコチラ
類題2の解答はコチラ