実践演習 幾何・ベクトル系

四面体に関する論証【2012年度 北里大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

類題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

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四面体に関する論証問題で、ひとまず例題でウォーミングアップをし、そこから徐々にステップアップをしていきます。

例題、類題1はセオリー通り手なりに進めていっても、特に大きな問題はないと思います。

類題2についてはセオリー通り進めていくと、冗談じゃない処理となりますので、工夫が必要となります。

ひとまずは自力で解き進めてみて、色々な手立てを考えてみてください。

(以下ネタバレ注意)

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例題について

例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

ひとまずは

2組のねじれの位置関係にある辺の2乗和が等しいときに、もう1組のねじれの位置同士の辺が直交している

という事実の証明です。

ベクトルとして考える方針や、幾何的に考える方針などが考えられますが、ねじれの位置関係にある辺の2乗和が幾何的に何を意味するのかということが考えづらいため、潔くベクトルで捌いていきます。

一応、「辺の2乗和」と言ったら、幾何的にはパップスの中線定理をインスピレーションすることも多いですが、今回は劇的に効いてくる様子が見えないため、見送ります。

ベクトルで捌くとなったら、セオリー通り

空間ベクトルの基本

1つの始点、3つの基底

という言葉に従い、今回は始点を \(\mathrm{A}\) ,  3本の主役ベクトルを

\(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\) ,  \(\overrightarrow{\mathrm{AC}}\) ,  \(\overrightarrow{\mathrm{AD}}\)

として考えていきます。

類題1について

類題1はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題の内容に加え、結果の活用法の丁度良い練習問題です。

構造としては

  • (3) で (2) を使いたい → その (2) を示すために (1) を示しておく

という構造です。

(3) において、\(\mathrm{AB} \perp \mathrm{CD}\) という条件の使い方は (2) の

\({\mathrm{AC}}^{2}+{\mathrm{BD}}^{2}={\mathrm{AD}}^{2}+{\mathrm{BC}}^{2}\)

という形で翻訳すればよいでしょう。

\(\mathrm{AC} \perp \mathrm{BD}\) の方の使い方についても、もちろん (2) のような使い方に準ずるわけです。

(1) ,  (2) と同じようなことを2回やってもよいですが、できればパッと判断したいところです。

例題で示した

  • 2組のねじれの位置関係にある辺の2乗和が等しいときに、もう1組のねじれの位置同士の辺が直交している

という命題の「逆」である

  • ある1組のねじれの位置同士の辺が直交しているとき、残り2組のねじれの位置関係にある辺の2乗和が等しい

ということが言えるわけです。

そう考えると\(\mathrm{AC} \perp \mathrm{BD}\) の使い方は、残り2組のねじれの位置関係にある辺の2乗和が等しいというように見ればよく、

\({\mathrm{AB}}^{2}+{\mathrm{CD}}^{2}={\mathrm{AD}}^{2}+{\mathrm{CB}}^{2}\)

となります。

あるいは、(2) において

\(\mathrm{B}\) ,  \(\mathrm{C}\) の立場が入れ替わっている

というように見て、即座に

\({\mathrm{AB}}^{2}+{\mathrm{CD}}^{2}={\mathrm{AD}}^{2}+{\mathrm{CB}}^{2}\)

に辿り着いてもよいでしょう。

いずれにせよ、与えられている条件を字面だけでなく、もう少し踏み込んだ形で捉えなおす力が必要です。

類題2について

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ひとまずは、セオリー通り始点を \(\mathrm{O}\) にとり

\(\overrightarrow{\mathrm{OA}}\) ,  \(\overrightarrow{\mathrm{OB}}\) ,  \(\overrightarrow{\mathrm{OC}}\)

を基底として考えていきます。

詳しい計算過程は【解答】中で述べていますが、条件 (i) を翻訳すると

\(\overrightarrow{\mathrm{OA}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{OB}}=\overrightarrow{\mathrm{OB}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{OC}}=\overrightarrow{\mathrm{OC}} \cdot \overrightarrow{\mathrm{OA}}\)

となります。

ここから、条件 (ii) である

\(\triangle{\mathrm{OAB}}=\triangle{\mathrm{OBC}}=\triangle{\mathrm{OCA}}=\triangle{\mathrm{ABC}}\)

を捌いていくわけですが、

\(\triangle{\mathrm{OAB}}=\triangle{\mathrm{OBC}}=\triangle{\mathrm{OCA}}\)

の部分の処理については、基底の始点が \(\mathrm{O}\) であり、考えやすいですが、4枚目の三角形 \(\mathrm{ABC}\) の面積についてが厄介であり、まともにぶつかると大騒ぎになります。

そのあたりをどう捌くのかが腕の見せ所です。

アイデアや観察一つで困難を乗り切ることを要求する京大らしい問題と言えましょう。

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