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今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。
問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。
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一般化 第1講【形から関数を設定する】【2015年度 信州大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第1講では、形から関数を設定する力を身につけることを目標とします。 例題の問題は非常にシンプルですが、しっかりと基礎的な部分で差が付きます。 数学の発想の素となる 「こういうことをしてみたい(調べてみたい)」 という素朴な気持ちや感性を鍛えて ...
一般化 第2講【欲しいものを準備する】【2002年度 名古屋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第2講では、「欲しいものを準備する」ということをテーマとします。 基本的には第1講で学んだように、形を見て、 「これが欲しい」 という気持ちが湧きあがるかどうかが大切です。 今回は第1講の要素に加えて、少し深みのある問題です。 (以下ネタバレ ...
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第3講では、「定積分の扱い」ということをテーマとします。 今回のテーマである一般化以外にも様々な解法が考えられますが、今回のテーマに即した倒し方をぜひ考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して ...
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第4講では、「分野の拡張」ということをテーマとします。 一般化することで強力な武器が手に入ることを実感してくださ ...
第3講では、「定積分の扱い」ということをテーマとします。
今回のテーマである一般化以外にも様々な解法が考えられますが、今回のテーマに即した倒し方をぜひ考えてみてほしいと思います。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 今回扱う \(\displaystyle \int_{-1}^{1}\displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx\) という定積分は定数です。 \(\displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x)\) の原始関数は具体的には分からないものの、 \(F(x)\) などとすると $$\begin{eqnarray} となります。 これまでの第1講、第2講で学習してきたように、具体的な定数に対して我々ができることはほとんどありません。 そこで、今回扱う定積分の恰好をした定数の値を \(F(1)\) と見立て \(F(t)=\displaystyle \int_{-t}^{t}\displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx\) という関数を設定してやります。 (上の説明で用いた \(F(x)\) とは関係ありません。) \(t\) の範囲は対称性を考えると \(0 \leq t \leq 1\) として考えればよいでしょう。 この定積分については積分変数 \(x\) に最終的に \(t\) , \(-t\) を代入して得られる \(t\) についての式 (関数) です。 この関数がどのような振る舞いをするのか調べるために、ここから先の流れは当然微分して増減を調べます。 定積分で表された \(t\) についての関数 \(\displaystyle \int_{f(t)}^{g(t)} h(t) dt\) を \(t\) で微分すると $$\begin{eqnarray} となります。 結果だけ見ると \(上代入 \times 導関数 - 下代入 \times 導関数\) ということになります。 実戦的には結果を扱いこなせることが第一ですが、理屈を分かった上で使うことが望ましい基本事項です。 本問の \(F(t)=\displaystyle \int_{-t}^{t}\displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx\) において、\(F'(t)\) は $$\begin{eqnarray} ということになります。 今 \(0 \leq t \leq 1\) の範囲で考えていますから \(\displaystyle \frac{t}{\sqrt{1+t^{2}}} \geq 0\) であることは言えます。 次に \(f(t)-f(-t)\) についてですが、条件から \(-1 \leq t \leq 1\) の範囲で \(f'(t) \geq 0\) なのですから、当然 \(0 \leq t \leq 1\) の範囲でも \(f'(t) \geq 0\) が成り立ちます。 つまり、\(f(t)\) は単調増加であるため \(f(t) \geq f(-t)\) が言え、 \(f(t)-f(-t) \geq 0\) も言えることになります。 このことから、\(F'(t)\) の被積分関数について \(\displaystyle \frac{t}{\sqrt{1+t^{2}}} \{f(t)-f(-t)\} \geq 0\) が言えることになり、 \(F'(t) \geq 0\) ということが言え、 ということが分かります。 \(0 \leq t \leq 1\) の範囲においては \(F(t) \geq F(0)=0\) ということが言え、特に \(F(1) \geq 0\) であるため、解決します。 一般化ということを意識しなければ、定積分の形を見て、その形を活かした解法も考えられます。 与えられた積分区間は対称的です。 そこで意識したいのは偶関数や奇関数の扱いでよくやる 区間の分割 という方針です。 今回の与えらえた定積分を \(\displaystyle \int_{-1}^{0} \displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx+\displaystyle \int_{0}^{1} \displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx\) と区間を分割し、前半の区間の部分 \(\displaystyle \int_{-1}^{0} \displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx\) を \(x=-t\) などと置換積分してやることで、2つの積分の積分区間をともに 0 ~ 1 区間にできます。 この路線は【解2】で扱っています。 \(\displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}}=(\sqrt{1+x^{2}})'\) ということに注目すると、部分積分によって、ダッシュの服の着せ替えが起こり、\(f'(x) \geq 0\) という条件が活かせそうな形に持ち込めます。 この路線は【解3】で扱っています。定積分は「値」
\displaystyle \int_{-1}^{1}\displaystyle \frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}} f(x) dx&=& \left[ F(x) \right]_{-1}^{1} \\
&=& F(1)-F(-1)
\end{eqnarray}$$一般化
定積分で表された関数の微分
\displaystyle \frac{d}{dt} \displaystyle \int_{f(t)}^{g(t)} h(t) dt &=& \displaystyle \frac{d}{dt} \left[ H(x) \right]_{f(t)}^{g(t)}\\
&=& \displaystyle \frac{d}{dt} \{H(g(t))-H(f(t))\}\\
&=& h(g(t))g'(t)-h(f(t))f'(t)
\end{eqnarray}$$本問において
F'(t) &=& \displaystyle \frac{t}{\sqrt{1+t^{2}}}f(t) \cdot 1 - \displaystyle \frac{-t}{\sqrt{1+(-t)^{2}}}f(-t) \cdot (-1) \\
&=& \displaystyle \frac{t}{\sqrt{1+t^{2}}} \{f(t)-f(-t)\}
\end{eqnarray}$$
その他の解法
積分区間に注目
部分積分をかますと