テーマ別演習 一般化

一般化 第4講【分野の拡張】【2007年度 京都大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。

問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。

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一般化 第1講【形から関数を設定する】【2015年度 信州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第1講では、形から関数を設定する力を身につけることを目標とします。 例題の問題は非常にシンプルですが、しっかりと基礎的な部分で差が付きます。 数学の発想の素となる 「こういうことをしてみたい(調べてみたい)」 という素朴な気持ちや感性を鍛えて ...

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一般化 第2講【欲しいものを準備する】【2002年度 名古屋大学】

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一般化 第3講【定積分の扱い】【1968年度 筑波大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第3講では、「定積分の扱い」ということをテーマとします。 今回のテーマである一般化以外にも様々な解法が考えられますが、今回のテーマに即した倒し方をぜひ考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して ...

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一般化 第4講【分野の拡張】【2007年度 京都大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回のテーマ別演習では「一般化」という考え方を自分のモノにします。 問題文で与えられている特殊なシチュエーションを、より一般のシチュエーションに拡張して考えるという手法です。 このシリーズの一覧はコチラ 第4講では、「分野の拡張」ということをテーマとします。 一般化することで強力な武器が手に入ることを実感してくださ ...

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第4講では、「分野の拡張」ということをテーマとします。

一般化することで強力な武器が手に入ることを実感してください。

ただ、最初に強調しておきたいのは

実際の試験場のつもりで解いてほしい

ということです。

色々な問題に紛れてこのような問題がポンと置いてあった場合にどう対処するのかということを意識して取り組んでみてほしいと思います。

用意した問題の中には通り一遍的な態度に対する警告的な教訓を含む問題があります。

(以下ネタバレ注意)

 

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ルールの複雑さが味方になる

2段上ることが連続しないというルールが厄介です。

そこで、漸化式を導入することを目論みます。

場合の数の分野の問題というより、数列の分野の問題として捌いていくことを目論むわけです。

複雑なルールや、厄介なルールも、漸化式の作成においてはかえってシチュエーションを限定し、立式しやすくする味方になり得るのです。

漸化式を導入するために、15段ということに拘らず、

\(n\) 段の階段の上り方を \(a_{n}\) 通り

と設定することにします。

最初の一手で場合分け

\(n\) 段を上るにあたり、最初の一手で場合分けをするとスムーズです。

最初に1段上るとき

残りは \(n-1\) 段であり、2回目の歩数に制限はないため、残る \(n-1\) 段の上り方は素直に

\(a_{n-1}\) 通り

ということになります。

最初に2段上るとき

残りは \(n-2\) 段ですが、連続で2段上ることが許されないため、自動的に次は1段上ることになります。

つまり

というような状況となるわけです。

次の歩数の選択は自由ですから、残りの \(n-3\) 段の上り方は

\(a_{n-3}\) 通り

ということになります。

まとめると

以上から、\(n\) 段の上り方の総数 \(a_{n}\) は

\(a_{n}=a_{n-1}+a_{n-3}\)

ということになります。

番号を上げる

この漸化式の定義域を考えます。

もちろんこの数列 \(\{a_{n}\}\) に対しては

\(a_{1}\) ,  \(a_{2}\) ,  \(\cdots\)

と定義されるわけで、上で得た漸化式が意味するのは

$$\begin{eqnarray}
a_{4} &=& a_{3}+a_{1} \\
a_{5} &=& a_{4}+a_{2}\\
&\vdots&
\end{eqnarray}$$

ということです。

つまり、先ほど得た漸化式によって定まる数列 \(\{a_{n}\}\) は

\(a_{n+3}=a_{n+2}+a_{n}\)

に\(n=1 \ , \ 2 \ , \ \cdots\) を代入して得られる数列 \(\{a_{n}\}\) と同じです。

したがって、添え字的にこの漸化式で考えます。

【解答】は

\(n+3\) 段の階段の上り方

を最初の一手で場合分けして記述すればよいでしょう。

場合の数の分野の問題として考えると

もし、この問題を数列の問題ではなく、そのまま場合の数の分野の問題として考えるとどういうことになるかも一応考えてみます。

  • 1段上るという事象を \(\mathrm{S}\)
  • 2段上るという事象を\(\mathrm{W}\)

と表すことにします。

ひとまず興味があるのは

  • \(\mathrm{S}\) ,  \(\mathrm{W}\) をそれぞれ何回ずつ使うのか

ということです。

そこで、まずはこの \(\mathrm{S}\) と \(\mathrm{W}\) を使う回数をそれぞれ \(x\) 回、\(y\) 回とします。

すると

\(x+2y=15\)

ということになります。

もちろん、この \(x\) ,  \(y\) というのは非負整数で、\(y\) は最大でも \(y=7\) までしかとれないため

\((x \ , \ y)=(1 \ , \ 7) \ , \ (3 \ , \ 6) \ , \ (5 \ , \ 5) \ , \ \cdots \ , \ (15 \ , \ 0)\)

ということになります。

あとはそれぞれの場合について

  • \(\mathrm{WW}\) という並びを許さない並べ方

を考えればよいことになります。

「隣り合わない」という並びを実現させるには

基本

隙間に放り込む

という考え方が鉄板です。

類題について

類題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題と違い、歩数制限はありません。

なお、原題には誘導がありましたが、今回はカットしました。

類題2について

類題2はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

(2) が中々のクセモノです。

一般化するか、そのまま解ききるかの判断に迫られます。

例題の解答はコチラ

類題の解答はコチラ

類題2の解答はコチラ

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