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テーマ別演習 フィボナッチ数列とリュカ数列

フィボナッチ数列とリュカ数列 第1講【ビネの公式と黄金比】【フィボナッチ数列の和】【1994年度 関西医科大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

今回のテーマ別演習ではフィボナッチ数列、及びリュカ数列にまつわる話題を取り扱っていきます。

古典的な内容となるため、いいか悪いかは別として知っている人からすればアドバンテージになり得る内容です。

細かな知識を事細かに逐一全て覚えなきゃと身構える必要はなく、高校で学習する基本事項の運用で訊かれていることを導出できればそれで構いません。

一つのストーリーとして気がついたら頭に入っていたという状態となれば幸いです。

シリーズ一覧

フィボナッチ数列とリュカ数列 第1講【ビネの公式と黄金比】【フィボナッチ数列の和】【1994年度 関西医科大学ほか】

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フィボナッチ数列とリュカ数列 第2講【リュカ数列の一般項】【隣接2項の最大公約数と極限】【1994年度 姫路工業大学】

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フィボナッチ数列とリュカ数列 第3講【相互関係】【2007年度 埼玉大学】

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第1講はフィボナッチ数列の一般項(ビネの公式)と黄金比、及びフィボナッチ数列の和について扱います。

まずはきちんと導出できるかどうかを確認してみましょう。

(以下ネタバレ注意)

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フィボナッチ数列とは

フィボナッチ数列

  • a_{1}=1a_{2}=1a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}

で与えられる数列をフィボナッチ数列と言い、この数列に現れる数をフィボナッチ数と言います。

フィボナッチはレオナルドという数学者のニックネームだと言われています。元々はウサギの繁殖に関する問題を考えるにあたりこの数列を考えています。

この時代にはあまり特別なものと思われていませんでしたが、後に段々数学者たちの興味をひくようになっていきます。

フィボナッチ数列と名付けたのはエデュアール・リュカという人物で、フィボナッチ数列と類似する数列であり、一般化したリュカ数列を考案しました。

リュカ数列については今後扱っていきます。

フィボナッチ数列の一般項(ビネの公式)

フィボナッチ数を具体的に書き出すと

  • 11235813\cdots

となります。

  • 前の2つを加えて次の項にする

という至極単純な操作で得られるフィボナッチ数列ですが、当然気になるのは、

  • 一般的に n 番目のフィボナッチ数は何なんだ

という一般項の正体です。

これについては、当然元となる漸化式

a_{n+2}=a_{n+1}+a_{n}

という隣接3項間漸化式を解くことで得られます。

隣接3項間漸化式を解くこと自体は

漸化式の基本パターン

漸化式の解法基本パターン 第1講【2項間漸化式:ズラせば等比数列】

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の第7講で取り扱っています。

本問の詳しい導出過程については解答 PDF をご覧ください。

フィボナッチ数列の一般項は

ビネの公式

  • a_{n}=\displaystyle \frac {1}{\sqrt{5}}\{(\displaystyle \frac {1+\sqrt{5}}{2})^{n}-(\displaystyle \frac {1-\sqrt{5}}{2})^{n}\}

という形で与えられ、ビネの公式と呼ばれています。

※ビネは発見者というわけではなく、それ以前にド・モアブルやオイラーなどによっても導かれているそうです。

フィボナッチ数列の一般項に現れる

\displaystyle \frac {1+\sqrt{5}}{2}

は見た目は汚い無理数に見えますが、黄金数と呼ばれる数学的には調和のとれた美しい数です。

黄金比、黄金数については

18^{\circ} 絡みの三角比

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で扱っています。

フィボナッチ数列の和

高校で学習する数列という単元的には、一般項が導出できたのであれば、次は初項から第 n 項までの和が気になります。

今回のフィボナッチ数列の初項から第 n 項までの和 S_{n}

  • S_{n}=\displaystyle \sum_{k=1}^{n}\displaystyle \frac {1}{\sqrt{5}}\{(\displaystyle \frac {1+\sqrt{5}}{2})^{k}-(\displaystyle \frac {1-\sqrt{5}}{2})^{k}\}

ということになり、形はイカツイですが、結局は等比数列の和ということになります。

詳しい計算結果は解答 PDF を確認してください。

フィボナッチ数列 \{a_{n}\} の初項から第 n 項までの和については

  • a_{1}+a_{2}+\cdots+a_{n}=a_{n+2}-1

という関係式が成り立ちます。

隣接2講の比

\alpha=\displaystyle \frac {1+\sqrt{5}}{2}\beta=\displaystyle \frac {1-\sqrt{5}}{2} とすると

\displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_{n}}=\displaystyle \frac {{\alpha}^{n+1}-{\beta}^{n+1}}{{\alpha}^{n}-{\beta}^{n}}

となります。

\beta=0.***\cdots なので、n が十分大きいとき {\beta}^{n}{\beta}^{n+1} はほとんど無視できますから、感覚的には

  • \displaystyle \lim_{n \to \infty} \displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_{n}}=\alpha=\displaystyle \frac {1+\sqrt{5}}{2}

となります。

記述上は

\displaystyle \frac {{\alpha}^{n+1}\{1-(\displaystyle \frac {\beta}{\alpha})^{n+1}\}}{{\alpha}^{n}\{1-(\displaystyle \frac {\beta}{\alpha})^{n}\}}

というように、

強きもので括る

という態度で記述すればよいでしょう。

なお、

  • \displaystyle \lim_{n \to \infty} \displaystyle \frac{a_{n+1}}{a_{n}}=\displaystyle \frac {1+\sqrt{5}}{2}

という結果は、隣接2項の比が黄金数に収束するという、興味深い結果を示しています。

解答はコチラ

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