微分法

2023/3/18

2023年度 九州大学理系第4問【関数方程式と微分についての論証】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) リード文を読み、下線部に関連する事柄を証明したり、補足させたりするといった形式であり、従来の「問題解決型」の問いというより、「基本深掘り型」の問いです。 昨年 (2022年) にこの形式が出題されて、2年連続でこの形式の問題が出題されました。 今年は関数方程式と、微分に関する論証問題です。 昨年の講評で 今後こういった問題が入ってきて、それが九州大の数学の目玉になるのかどうかというのは、来年以降注目したいところでしょう。 と述べましたが、2年 ...

2023/3/13

2023年度 東北大学理系第6問【長さと傾きが一定の線分の通過領域】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 線分の通過領域と、その面積を求める問題です。 線分の通過領域と聞いて身構えますが、今回の線分は 長さと傾きが一定の線分 であり、目で追っていくことができます。 その際 (1) がその補助となる部分です。 方針面では困ることはないでしょう。 ただ、細々とした算数計算や、面積を求めるのに必要な部分をチョコチョコ計算していると時間がかかります。 面積計算も、まともにぶつかると少々骨が折れますので、図形的考察をはさみながら少しでも労力を減らす工夫を試 ...

2023/3/5

2023年度 京都大学理系第4問【合成関数の最大最小】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 関数の最大値、最小値を求めるという極めてド直球なテーマです。 今回の \(f(x)\) は \(g(x)=x+\displaystyle \frac{1}{x}\) \(h(x)={e}^{-x^{2}}+\displaystyle \frac{1}{4}x^{2}+1\) と設定した際に \(f(x)=g(h(x))\) という形になっているいわゆる合成関数です。 \(y={e}^{-x^{2}}+\displaystyle \frac{1 ...

2023/2/26

2023年度 東京大学理系第3問【円の接線と放物線の弦】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と円の位置関係から始まり、円の接線が放物線によって切り取られる長さについて考える問題です。 (1) は距離に注目したり、円周上の点をパラメータ表示したり色々捌けるでしょうが、(2) のことを考えるとパラメータ表示をする方が方針面での接続はよさそうです。 (2) はひとまず \(L_{\mathrm{P}}\) を立式するところまでが一つの山場です。 点 \(\mathrm{P}\) における接線の式を立てる \(y=x^{2}\) と連 ...

2023/2/8

大小比較【視覚化の工夫】【2004年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 文字を含んだ式の大小を比較する問題です。 単純に差を取って解決すれば問題ないのですが、差をとっても埒があかない問題もあるでしょう。 本問は誘導はなく、方針から自力で考える問題です。 もちろん、取っ掛かりとなる部分は無理のない範囲の発想です。 愚直に攻めてもよし、工夫して鮮やかに捌いてもよしという調理の仕方に幅のある問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:愚直に攻める 今回の2数 \(\displayst ...

2022/12/28

放物線と2直線で囲まれる部分の面積【1999年度 大阪府立大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 放物線と2直線で囲まれる部分の面積についての立式がメインテーマです。 構図としてはシンプルな構図なのですが、計算面で心がへし折られる受験生がかなり多いと思います。 これを試験場でバシッと計算を合わせるのは至難の業と言ってよいでしょう。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 領域の図示 ひとまず題意の領域を図示したいと思います。 放物線 \(y=x^{2}\) の上側というのはいいでしょう。 \((y-kx- ...

2022/11/29

有名曲線【トロコイド】【2012年度 お茶の水女子大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) トロコイドという有名曲線を扱った問題です。 トロコイドとは 円が滑らずに転がったときの円の内部または外部の定点の軌跡 です。 円周上の定点の軌跡はサイクロイドと呼ばれる有名曲線です。 基本的にはサイクロイドに準ずる態度でトロコイドのパラメータ表示を得ていきます。 ひとまずサイクロイドに関してまだ足元がグラグラということであれば でサイクロイドについての問題を扱っています。 (以下 ...

2022/12/11

仮想難関大(オリジナル予想問題)【微積分~面積比一定問題~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は微積分の問題です。 \(y=xe^{nx}\) という関数の面白い性質を問いにしました。 基本的な微積分の練習問題としてご活用ください。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む ( ...

2022/11/2

2文字の不等式証明【特徴を捉える】【1982年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2文字を含んだ不等式の証明問題を扱います。 今回は目に付く特徴によって様々な解法が考えられます。 何が自然に見えるかは人それぞれかと思います。 試験場でとれる解法は一通りですが、家で訓練のために解く演習段階ではぜひ色々な解法を考えてみてください。 (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:予選決勝法 今回の2文字 \(a\) ,  \(b\) は大小関係こそあるものの独立に動きます。 独立 ...

2022/9/7

微分積分に関する正誤判定【1988年度 大阪教育大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 微分積分に関する正誤判定の問題です。 「それらしい」主張に惑わされないこと。 勝手なMy Rule をふりかざさないこと。 ということに対する教訓にしてほしい問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) について \(f'(x)=g'(x)\) とは \(\{f(x)-g(x)\}'=0\) ということです。 これより \(C\) を定数として \(f(x)-g(x)=C\) ということが言えると思います。 ...

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