復元抽出による番号についての考察【2019年度 秋田大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 復元抽出(元に戻して取り出す)について扱う問題です。 今回は箱から番号付きのカードを取り出すという設定ですが、サイコロを振るということについてもある意味復元抽出と同じと見なすことができます。 サイコロを振るのも、箱から1~6の番号付きのカードを元に戻しながら取り出すのも同じことですから。 そういった意味で、目先のカードだのサイコロだのにとらわれることなく、復元抽出という大きな括りでの話題だと整理しておき、いざ出題されたときは判断 ...
サーブ権のあるゲームの得点推移【急所をいかに捉えるか】【2013年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 昔のバレーボールなどで採用されていた「サーブ権」をネタにした問題です。 今のバレーボールはラリーポイント制で、攻撃が決まったら即得点が入ります。 昔はサーブ権をもったチームのサーブから始まり、攻撃が決まれば得点、逆に攻撃を決められたらサーブ権が相手に移るだけというルールでした。 自分が小さいときはまだバレーボールはサーブ権があった記憶があります。 今の世代の受験生はピンとこないかもしれませんね。 (以下ネタバレ注意 ...
ランダムウォーク【事象の内訳を捉える】【2017年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 原点からスタートし、ある確率に従って進む方向が決まるという、よくある設定の問題です。 本問は2017年度の東大の問題ですが、この年は例年に比べ基本的な問題が多く、とりこぼしが致命傷になるような問題が並んでいた年でした。 そんな中の一問が本問であり、難易度としては基本的だと思いますが、「試験場補正」がかかりかねない問題だとも思います。 場合の数や確率は、試験場においては 「計算上、出てきた数値を信じるしかない」 という側面があると ...
事象の噛み砕き【方針決定】【対称性の活用】【1995年度 北海道大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ランダムウォークという種類の問題で、本問は言ってみたら \(x=2\) というカーペットの上を通過する確率です。 結局「具体的に何が起こればよいのか」と噛み砕く力や、それを的確に表現する力が必要になります。 確率を勉強するにあたり、本当に磨かなければならないのはこういった根本的な部分です。 本来場合の数・確率の分野は目の前の事象を分析し、何が起こればよいのかを見抜く「その場力」が求められる分野です。 それに対して \(n\) 個 ...
リセットありの得点【積まれたブロックの高さが得点】【2007年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) リセットがあるというのが特徴のゲームについて考えます。 ブロックではなく、座布団であれば、本問は笑点です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 高さが \(m\) とは、「最後にリセットされてから \(m\) 回連続で表が出る」ということです。 その前の途中経過は関係ありません。 (2)についても、高さが \(m\) 以下とは 高さが \(0\) , \(1\) , \(\c ...
サイコロの目によって作られる無限小数【難問】【1990年度 東京大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 1990年度の東京大学の問題で、この年は東大の歴代前期試験の中でも凶悪な難易度を誇った年として有名です。 この問題も強靭な思考力と粘り強さ、そして考えを的確に表現する力など、かなりの総合力を求められます。 「十分な回数サイコロを投げ、出た目を末尾にどんどん追加して作った数字が、\(\alpha\) 以下となる確率」 と、題意としてはシンプルですが、やってみると " 言葉にできないもどかしさ " を ...
確率についての分野融合問題【条件付き2変数関数との融合問題】【1992年度 大阪大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 本問は確率の要素はあまりなく、\(P (a,b,c)\) を立式すること自体そんなに難しくありません。 問われているのは、その立式後の「式の扱い」についてです。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ココがポイント \(ab+bc+ca=\frac{1}{2}\{(a+b+c)^2-(a^2+b^2+c^2)\}\) はたびたび登場する式変形なので、常識化しておきたいところです。 そもそもなの ...
カードの番号の積【直接考えるか余事象を考えるかの方針決定】【2009年度 千葉大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 番号付きカードを取り出したり、サイコロを投げたりして番号の和や積を考える問題は沢山あります。 本問は典型的なテーマをベースとしながら、ちょっとしたイレギュラー要素も含んだ問題です。 難易度としては標準だと思いますが、受験生にやらせてみると意外と四苦八苦しています。 この問題を通じて学んでほしいことの1つとして ココがポイント 題意の事象を直接考えるか、余事象を考えるかを判断する。 ということが挙げられます。 この分野では、難易度 ...
最短経路と直進距離に関する考察【隣り合わないように並べる方法】【2012年度 高知大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1),(2)までは典型的な教科書レベルの問題です。 頭を使うのは(3),(4)からで、5m以上の直進があるような最短距離、4m以上の直進があるような最短距離を考えます。 (3)については直進の方向は横方向しかありえませんが、(4)の4mの直進については横方向に加え、縦方向への直進も考えられます。 余事象を使うかどうか 場合分けするとしたら、どのような観点で場合分けするのがスマートか など、色々考え出すと泥沼に嵌まりかねないでし ...