場合の数・確率系

2021/4/25

確率の原則【同様に確からしいとは】【確率では全てのものを区別せよ】【2003年度 一橋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 決して簡単ではないですが、確率の原則を確認する上で非常にいい問題です。 まず、同様に確からしいということについてです。 同様に確からしいということについて 東大に受かる確率について 受かる or 落ちる の2通りなので、\(\displaystyle \frac{1}{2}\) と聞いて、明らかにおかしいと感じてくれると思います。 当然、この「2通り」の起こりやすさが違うわけです。 全事象(起こり得るすべての根元事象)の起こりやすさが全て等し ...

2021/7/11

カタラン数【最短経路の応用問題】【2008年度 九州大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) (1) ,  (2) について 最短経路の問題として (1) ,  (2)  についてはきっちりと確保したいレベルの基本問題です。 (3) について 反面、(3) については「カタラン数」という話題にスポットが当たっており、 経験していなければ、その場での発想は不可能 と言ってもよいと思います。 カタラン数の話題を無視して、「純粋に腕力で押し切る」ということもできますので、試験場では腕力で愚直に計算することもできますが、ここではカタラン数とい ...

2021/4/21

確率漸化式【除去型:隣り合う領域を異なる色で塗る塗り方】【1996年度 麻布大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(n\) 角地図という独特な言い回しが目につく問題です。   4色定理 境界線で囲まれるいくつかの領域からなる平面図形があり、境界線を共有する隣り合った領域は異なった色で塗らなければならない。 このとき、この平面図形を塗り分けるには4色あれば十分である。 という主張があり、長年未解決問題で、4色問題と呼ばれていました。 現在は解決し、4色定理と呼ばれています。 証明はコンピューターを利用したかなり強引な力業による証明 ...

2021/4/21

長方形の数え上げ【階段状の図形内の長方形の個数】【2015年度 奈良県立医科大】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   非常にシンプルな問題で、どことなく「何かうまい方法でできそう」みたいな匂いを感じます。 大学入試と言うよりはむしろパズル的な問題に感じる人もいるかもしれません。 時間に余裕がある家での勉強において、あぁでもない、こうでもないと試行錯誤する分にはいいのですが、試験場だと頭に血が昇ってしまいやすいでしょう。 本問はどちらかと言うと地道に数え上げていく方針と、閃き一発で終了する方針とが考えられます。 試験場であればこっちの解答かなと思 ...

2021/4/20

破産の確率【初見ではほぼ絶望】【2004年度 大阪市立大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   破産の確率と呼ばれるタイプの問題で、初見で解ききることは極めて困難です。 (1)、(2) は回数制限があるため、具体的に状態推移を追っていくことが可能です。 実際に(1)、(2) についてはできれば確保したいですが、筋が悪いと右往左往しかねません。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (3)が今回話題の「破産の確率」です。 普通に考えると埒があきません。 直接計算で追うことは難しいので、漸化式を導入します ...

2021/4/20

確率漸化式【ドロップアウト型~じゃんけん~】【2013年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   じゃんけんを扱った問題です。 今回のゲームがもつ構造を私は 「ドロップアウト構造」 と呼んでいます。 今回だと3人からスタートして 3人 → 3人 → 3人 → \(\cdots\) → 2 人 → 2 人 → \(\cdots\) → 2 人 → \(\cdots\) というようにどんどん脱落していくような構造です。 じゃんけんはドロップアウト構造の典型例です。   実はじゃんけんに限らず、このドロップアウト構造をも ...

2021/4/20

双六を扱った確率【ピッタリあがり】【超えたらあがり】【2004年度 名古屋大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   難関大学では、有名なゲームをネタにしたような出題が時折出題されます。 本問は双六をモデル化した問題です。 答えを出す難しさというよりも、的確な表現で紙面上に記述する難しさがあるかもしれません。 表現力も問われてくると思います。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 結局、2 ~ 7 というリーチゾーンの場所にいるならば毎回毎回 確率 \(\displaystyle \frac{1}{6}\) ...

2021/4/20

隣り合わない円順列【極限との総合問題】【2011年度 滋賀医科大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   円順列を題材として、最後は極限の計算技能まで見る欲張りな問題です。(実践演習としては誉め言葉です。) 円順列の基本は 円順列のポイント 誰か一人の目から見る ということです。 公式 \(n\) 人を円形に並べる方法は \((n-1)!\) 通り がありますが、この「\(-1\)」というのはまさに「誰か一人の目から見て残りの \(n-1\) 人がどうなっているかが問題である」という現れです。 式の形に意味付けができれば、覚える(頭 ...

2021/4/18

正n角形の頂点によって作る三角形【2017年度 同志社大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   この手の問題は多くの問題集などにも収録されており、一度は経験したことのある人も多いでしょう。 また、正六角形や正八角形など、具体的な問題はやったことがあるという人も多いでしょうが、一般論として考えたことがある人はそこまで多くないのではないかなと思います。 具体的な問題の場合、「具体的だからこそできる解法」が収録されていることも多く、今回一般論で考えてみることにより、この手の問題について一度整理してみてほしいと思います。 少なくと ...

2021/4/18

確率漸化式【設定する上での工夫】【2015年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   確率漸化式の標準問題の多くは、基本的な漸化式の処理力があれば、どちらかというと得点源になる分野です。 本問の場合、機械的な態度になりがちなこの分野の問題において、思考要素を含む問題であり、面白い良問だと思います。 確率の問題では 漸化式を導入するかどうか ということは、方針決定において非常に大きな選択です。 通常の問題であれば、 「~~の確率を \(p_{n}\) とおく」 「\(p_{n+1}\)  を  \(p_{n}\)  ...

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