場合の数・確率系 実践演習

破産の確率【初見ではほぼ絶望】【2004年度 大阪市立大学ほか】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

破産の確率と呼ばれるタイプの問題で、初見で解ききることは極めて困難です。

(1)、(2) は回数制限があるため、具体的に状態推移を追っていくことが可能です。

実際に(1)、(2) についてはできれば確保したいですが、筋が悪いと右往左往しかねません。

(以下ネタバレ注意)

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(3)が今回話題の「破産の確率」です。

普通に考えると埒があきません。

直接計算で追うことは難しいので、漸化式を導入します。

破産の確率の漸化式においては

最初の一手で場合分け

というのが特効薬です。

\(k+1\) 点の状態から

1点を得て \(k+2\) 点となってから、やがて破産

1点を失って \(k\) 点となってから、やがて破産

と考えて

\(p_{k+1}=\displaystyle \frac{1}{3} p_{k+2}+\displaystyle \frac{2}{3} p_{k}\) という漸化式を得ます。

しかし、一難去ってまた一難。

一般項を求める際の初期条件である \(p_{1}\) が求まらないのです。

パッと分かる初期条件は \(p_{0}=1\) ,  \(p_{n}=0\) ということです。

\(p_{0}=1\) は言わば

破産している人が破産する確率

ですから 1 です。(死体が死ぬ確率みたいなものです)

\(p_{n}=0\)についても \(n\) 点になったら終わってしまうので

破産したくてもできない

ということになります。(破産したい人などいませんが)

この初期条件を活かすために工夫が必要となります。

【解答】と【総括】でふれてありますので、ご確認ください。

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