2直線の交点の軌跡【文字消去が困難なときの工夫】【2006年度 島根大学ほか】
例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2直線の交点の軌跡というテーマ性のある話題です。 単元学習で軌跡を学習したばかりの状態でこのテーマに取り組むと、「あれ?」となる人が多いでしょう。 方針としては複数考えられますが、どのような方針が自然かということについて比較検討まで含めて考えていきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 思いつきやすい方針 軌跡の基本は \((X \ , \ Y)\) とおき、\(X\) , \(Y\) の関係式を ...
不等式の証明【n変数の不等式】【1997年度 愛媛大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(n\) 個の数 \(x_{1}\) , \(x_{2}\) , \(\cdots\) , \(x_{n}\) に関する不等式証明で、見た目はキレイに循環している形です。 見た感じ、差を取ってどうのこうのできるようには思えませんし、通分しようものなら大騒ぎになります。 この与えられた形を活かす方向で考えていきたいところです。 本問は解答自体はアッサリしており、 聞けば簡単、解くのは大変 というタイプの問題なので、ネタバレしてし ...
不等式から文字を消去する技巧【名前をつけて等式化】【1998年度 鹿児島経済大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 等式と不等式とどちらが扱いやすいかと言えば、等式の方が扱いやすいと感じる人が多数派でしょう。 今回、不等式を等式の話にすることで、話を明確化することができるような問題を扱います。 どちらかと言うと技巧的なものですし、試験場での再現性が高いかというと決して高くないとは思います。 ただ、知ってて損はないでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 与えられた不等式の形は見づらい 今回与えられた不等式の形は見 ...
相反方程式【解き方の確認と周辺知識の足固め】【2011年度 名城大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 係数が左右対称となっているような方程式を 相反(そうはん)方程式 と言います。 ノーヒントかつ初見だとアタフタしますが、大抵誘導がついています。 とは言え仮にノーヒントであったとしてもある程度は対応できるように準備はしておきましょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 偶数次相反方程式の特徴 今回の例題をもとにしますが、偶数次の相反方程式の特効薬は 偶数次の相反方程式の特効薬 真ん中で割る という態度に ...
2次方程式と定積分の論証【1982年度 関西大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 個人的に大好きな問題です。 急所に辿り着くと一気に話が進んでいきます。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む まともに考えると 与えられた条件である \(\displaystyle \int_{-1}^{1}|3x^{2}+2ax+b| dx\) の処理が面倒です。 \(y=|3x^{2}+2ax+b|\) のグラフが なのか なのかで話が変わりますし、\(x\) 軸に関して折り返している場合においては と ...
円の弦の通過領域【2円の交点を結ぶ線分】【1994年度 東京都立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 円と円の交点を結ぶ線分の通過領域を求める問題です。 円 \(C\) は固定されていますが、円 \(C'\) の動きは点 \((1 \ , \ 0)\) を通りながら動くというパッと見よく分からない動き方をします。 円 \(C'\) の動きは式的にかろうじて追うことができるでしょう。 その動きに伴う共有弦の動きを細かな部分まで目で追いきるとなると限界があるでしょう。 そのあたりをどのように扱うかは、経験がモノをいいます。 通過領域の根本的な考え ...
直線の通過領域、線分の通過領域【2009年度 横浜国立大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 難関大頻出の話題である「通過領域」の問題の中でも、一番シンプルな「直線の通過領域」について考えます。 さらに、その延長にある「線分の通過領域」についても扱います。 なお、通過領域に関する根本的な考え方については で扱っていますので、考え方の根っこについて押さえたい人はそちらを参考にしてください。 本問は逆像法のココロはおさえた上で、線分の通過領域というワンパンチあるテーマを考えるということで、「実践演習」の方で扱います。 (以下ネタバレ注意) ...
線形計画法の問題をスマートに処理する考え方【2002年度 一橋大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 今回、本問を通じて 線形計画法の問題に対するアプローチについて考えてみます。 今回、文字 \(a\) が入っているため、場合分けが発生することは予見できると思います。 このような場合分けが必要な線形計画法の問題に対して、 王道的に倒す方法 スマートに処理する方法 を紹介します。 ただ、王道的な考え方については 参考 で紹介していますので、考え方そのものについてはそちらの記事に任せます。 (解答では【戦略1】【解1】で王道的な路線でやったあと、 ...
sinの和【導出過程から応用例まで】【1994年度 和歌山大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n} \sin{k\theta}\) について考える問題で、テーマとしては比較的シンプルな話題です。 例題では結果を数学的帰納法で証明するというスタイルで出題されていますが、ノーヒントで導出しろといった場合にどのように導出すればよいのかについてもプラスアルファで考えてみたいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む (1) につい ...
対称式についての論証【基本対称式の符号】【2007年度 愛媛大学】
問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 基本対称式についての符号についての論証問題です。 符号だけでなく、整数問題の要素も含めたオチまである欲張りなセットです。 キレイな結果とは裏腹に、導出過程はそれなりに紆余曲折があると思います。 本問は「逆なら楽勝で言えるのにシリーズ」の一つと言ってよく、京大が好みそうな感じですね。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 本問の出どころ 本問の出どころは恐らく2文字の基本対称式についての以下の性質でしょう。 2文字の基本対 ...