方程式・不等式・関数系

2021/4/18

和のa乗とa乗の和【式の特徴を見抜けるか】【2008年度 千葉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   \(a\) が自然数であれば \((x_{1}+x_{2}+\cdots +x_{n})^{a} \geq x_{1}^{a}+x_{2}^{a}+ \cdots +x_{n}^{a}\) という本問とは逆向きの不等式が成り立つのは自明なのですが、本問はそう容易くはないでしょう。 どこから切り崩そうか、戦略から含めて考える必要があります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 登場人物の中で唯 ...

2021/4/18

同次式(斉次式)の扱いと絶対不等式としての処理【2016年度,1990年度 立命館大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   特徴のある式についてはその個性を活かした扱い方をします。 もちろん、そんな個性のある式はそんなに沢山あるわけではありません。 対称式、交代式、相反式 \(\cdots\) など名前がある式については、個性があるから名前がついています。 今回はその中でも「同次式(斉次式)」というものを扱います。 同次式とは、各項の次数が同じ式のことです。 同次式の例 ①:\(3x^{2}+4xy-y^{2}\) ②:\(4x^{3}+5x^{2} ...

2021/4/18

従属2変数関数の最大最小【2018年度 福島大学】【2016年度 立命館大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     2変数関数の最大最小問題で、本問のように「それ自身が問題」ということもあれば、「問題を解く中で処理する必要がある」場面もあるでしょう。 そういった意味で、最大最小問題についての基本的な方針は身につけておく必要があります。 今回は従属2変数関数の最大最小問題について見ていきます。 (1) で通用する態度が (2) で通用しないと思いますので、そのあたりをどう乗り越えるかを考えてみましょう。   (以下ネタバ ...

2021/4/18

等式・不等式の証明【差がつく有名な形】【2009年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     等式・不等式の証明問題の問題として、本問は要点が凝縮されています。 そのためか練習問題として様々な問題集に収録されています。 演習の初期としては手ごろなレベルだと思います。 経験の有無に左右されるポイントや急所を含んでいますが、逆に言えば勉強していれば試験場では確保できる問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む パッと思いつく方針としては 重要 \(x^{3}+y^{3} ...

2021/4/18

y=xについて対称な2曲線【式で攻めるか、図で攻めるかの判断】【1989年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   シンプルな問題です。 こういう問題はいったん手が止まってしまうと、ムキになって冷静さを失いかねませんから、試験場だと難易度とは別に危険なタイプの問題ですね。 時間無制限で取り組む分には得られる教訓も多く、いい問題です。   (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む まずは、 本問の選択肢 図形的に攻める 式から攻める という2路線の検証ですが、図形的に攻めるのは得策ではないでしょう。 曲 ...

2021/4/18

式の個性【式の形のもつ意味について考える】【2010年度 埼玉大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     見た目は座標平面の円に関する問題に見えますが、とるべき解法によって見た目の分野とは違う分野の処理が必要になってきます。 まずは初見で考えてみてほしいと思います。   (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む \(ac+bd\) という式の形から放たれる強烈な「作為の匂い」を嗅ぎ取ることができれば \(P \ (a \ , \ b)\) ,  \(Q \ (c ...

2021/4/18

相反多項式【関数方程式への対応】【2008年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   見た目は「これ満たす \(f(x)\) なぁ~んだ」という「関数方程式」です。 (1) で、この \(f(x)\) が高々 4 次であることを示させるということでだいぶ親切です。 次数の決定については、ノーヒントであることも多いので、誘導を期待せず自分でも考えるように準備しておきましょう。 問題は (2) です。 様々な解法が考えられますので、まずはしっかりと手と頭を動かして考えてみてください。   (以下ネタバレ注意 ...

2021/5/5

ポンスレの閉形定理【放物線上の3点によってできる三角形の内接円】【1988年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     問題を読んでみると、「えっ、マジ?」と言いたくなる結果です。 まぁそれもそのはずで、「ポンスレの閉形定理」というものが背景にあります。 ポンスレの閉形定理 2つの2次曲線 \(C_{0}\) , \(C_{1}\) ,  \(3\) 以上の自然数 \(n\) について \(C_{1}\) 上のある点を1つの頂点として \(C_{0}\) に外接し ,  \(C_{1}\) に内接する \(n\) 角形が1つでも存在 ...

2021/4/17

コーシー・シュワルツの不等式の証明【示すべき形から方針を決定する】【2011年度 大分大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   コーシー・シュワルツの不等式と呼ばれる有名不等式です。 今は範囲外ですが、行列という分野の中で「ケーリー・ハミルトンの定理」というものがあります。 参考書によっては「ハミルトン・ケーリーの定理」などとも呼ばれており、呼び方論争もあります。 コーシーシュワルツの不等式はシュワルツ・コーシーの不等式とは呼ばれません。 なぜでしょうか? 品川庄司を庄司品川と呼ばないのと同じ理由だと思います。   さて、どうでもいい話はここま ...

2021/4/17

カルダノの公式【汚く見える数の正体が整数】【3次方程式の解の公式】【2009年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     一見複雑に見える数が、実はシンプルな数でした、ということを示す問題で、背景には3次方程式の解の公式(カルダノの公式)があります。 本問以外にも類題は多数あり、経験済みという方も多いかもしれません。 大抵誘導が付いていますから、その誘導の流れをきちんと汲み取ることができれば、背景を知らなくとも問題を解くこと自体はそこまで難しくないと思います。   (1) においては \(x^3\) を計算することになると思 ...

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