例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
1変数に関する絶対不等式をもとに、独立2変数に関する絶対不等式まで扱う問題です。
(1) は定番中の定番の話題で、(2) も学習を進めている人からすれば経験しているという人も多いでしょう。
(2) は噛み砕き力があれば、初見でも対応は可能です。
ただ、マニュアルに依存していると何が言えればよいのかを噛み砕けず立ち往生しかねません。
結果的に分からなくて解答を見ること自体は否定しません。
知らなきゃキツイ問題や、経験に依存する問題があるのも事実です。
ただ、ろくに考えもせず、すぐに答えを見てしまう態度は考えものです。
今回のテーマが初見である場合は、少なくとも
「こうなっていればいいのかな」
という自分なりの翻訳ができるまでは粘ってみてください。
(たとえそれが間違っていたとしても、それは財産です。)
(以下ネタバレ注意)
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(1) について
ある範囲で常に成り立つ(絶対に成り立つ)不等式のことを文字通り
絶対不等式
と言います。
区間 \(I\) において \(f(x) \gt c\) ( \(c\) は定数 ) が常に成立するとは
区間 \(I\) における最小値を \(m\) として \(m \gt c\) が成立する。
ということが言えます。
その区間における最小値(一番雑魚)が \(c\) に勝てるのであれば、その他の連中も \(c\) に勝てるでしょ
という考え方です。
もちろん不等式の向きが変われば
区間 \(I\) において \(f(x) \lt c\) ( \(c\) は定数 ) が常に成立するとは
区間 \(I\) における最大値を \(M\) として \(M \lt c\) が成立する。
となります。
その区間における最大値(ボス)が \(c\) に負けるのであれば、その他の連中も \(c\) に負けるでしょ
ということです。
本問においては
与えられた \(f(x) \geq g(x)\) という不等式は
\(f(x)-g(x) \geq 0\)
という形で見ます。
具体的に計算すれば
\(x^{3}+6x^{2}-36x-t \geq 0\)
という不等式となり、これが \(x \geq 0\) なる任意の \(x\) について成立すればよいことになります。
上述の絶対不等式の考え方から、左辺を \(h(x)\) とおき、\(h(x)\) の \(x \geq 0\) における最小値 \(m\) が
\(m \geq 0\)
を満たしていればよいことになります。
(2) について
(1) とのニュアンスの違いを感じる必要があります。
(1) と違い、\(f\) と \(g\) に代入するものが異なることもあるため、移項する方が不自然です。
問題文で言っている題意を噛み砕いて言えば
どんなペアでぶち込んでも \(f\) の勝ち
ということですから、
- \(g\) の最大限強いやつをもってきたとしても、\(f\) の一番雑魚に負ける
と翻訳します。
グラフ的には
というようになります。
上述の噛み砕きはカジュアルな言い方であり、もう少しフォーマルに表現すると
- \(f(x)\) の最小値 \(\geq\) \(g(x)\) の最大値
ということです。
あとは、それぞれの \(x \geq 0\) における最小値や最大値を考えることに集中すればよいでしょう。
復習用問題について
復習用問題1はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
復習用問題2はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
ここまでダメ押しでやれば気がつくでしょうが、結局絶対不等式の問題は
最大・最小問題に帰着する
ということになります。
例題の解答はコチラ
復習用問題1の解答はコチラ
復習用問題2の解答はコチラ