不等式

2024/3/29

2024年度 東北大学理系第2問【整式と対数関数の大小】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式の証明からスタートし、それを用いて \(n \leq 2\log_{2}n\) を満たす正の整数 \(n\) を求めるという内容です。 (1) の不等式の証明では、与えられた条件式、特に (a) をどのように活用するかが問われます。 (1) の主張は大まかに \(x \geq 2 \log_{t}x\) ならば、\(x+1 \gt 2 \log_{t}(x+1)\) という構造になっており、さながら帰納法の橋渡し的な内容です。 これを用 ...

2023/2/8

大小比較【視覚化の工夫】【2004年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 文字を含んだ式の大小を比較する問題です。 単純に差を取って解決すれば問題ないのですが、差をとっても埒があかない問題もあるでしょう。 本問は誘導はなく、方針から自力で考える問題です。 もちろん、取っ掛かりとなる部分は無理のない範囲の発想です。 愚直に攻めてもよし、工夫して鮮やかに捌いてもよしという調理の仕方に幅のある問題です。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:愚直に攻める 今回の2数 \(\displayst ...

2022/11/17

解けない漸化式と不等式証明【1984年度 高考】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 高考(ガオカオ)という中国の入試問題からの問題です。 ある友人に解いてくれと言われ、解いてみたわけですが味付けが日本のものとは異なり、不思議な味わいをもった問題でした。 (1) ,  (2) ,  (3) までは日本の入試問題でもよくあるような問題なのですが、(4) が言葉にできない不思議な気持ちよさがあります。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む (1) について 漸化式が与えられている状況であり、 数 ...

2022/11/2

2文字の不等式証明【特徴を捉える】【1982年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2文字を含んだ不等式の証明問題を扱います。 今回は目に付く特徴によって様々な解法が考えられます。 何が自然に見えるかは人それぞれかと思います。 試験場でとれる解法は一通りですが、家で訓練のために解く演習段階ではぜひ色々な解法を考えてみてください。 (以下ネタバレ注意)     + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:予選決勝法 今回の2文字 \(a\) ,  \(b\) は大小関係こそあるものの独立に動きます。 独立 ...

2022/8/15

仮想難関大(オリジナル予想問題)【不等式の証明~形を活かす~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。 「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」 という方はぜひご活用ください。 今回は不等式の証明問題です。 アイデア一つでスパッと斬れると気持ちよいと思います。 ただし、インスピレーションの素となる部分が極力匂わないように、巧妙に消臭していますので、 「解かせる気あるのか」 というクレームは覚悟の ...

2022/6/28

相加平均と相乗平均の差【1997年度 滋賀大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x \gt 0\) ,  \(y \gt 0\) のとき相加平均と相乗平均の関係 \(\displaystyle \frac{x+y}{2} \geq \sqrt{xy}\) は基本中の基本ですが、この相加平均と相乗平均の誤差について考えていく問題です。 結論が示されている証明形式であるため、問題を解くこと自体は標準的な難易度です。 まずは例題でウォーミングアップをして、同じテーマを扱ってはいますがより手ごわい類題にもチャレンジしてみてく ...

2022/6/15

累乗根と大小比較【2002年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 5乗根に関する数の大小比較の問題です。 目に付いた特徴によって様々な解法が考えられるあたりが面白いところです。 結論自体に辿り着くことは決して難しくはないので、色々考えてみてほしいと思います。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 結論の予想 あたりをつけるために、\(n=1\) としてみると \(a=\sqrt[5]{2}-1\) ,  \(b=1\) ,  \(c=\displaystyle \frac{1}{5}\ ...

2022/6/6

2項間不等式【2003年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2項間漸化式ならぬ2項間不等式です。 本問で扱う2項間の関係は「不等式」であり、数列 \(\{a_{n}\}\) を具体的に定めていく規則性のある等式ではありません。 そのあたりの言われれば当然のことをしっかりと意識しているかで偶然解けるか、必然的に解けるかが分かれるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む ホントかよという気持ち もちろん、問題文で言われている主張は本当なのですが、 \(a_{n+1} \gt ...

2022/6/5

相反式に関する不等式証明【2000年度 慶應義塾大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(x\) と \(\displaystyle \frac{1}{x}\) の対称式を相反式と言い、相反式に関する不等式証明の問題です。 (1) は特に問題はないでしょうが、(2) が解法によって大変さが変わってきます。 そのまま手なりに押し通すこともできますが、その場合は結構腕力が必要です。 試験場であれば傷だらけになるのを覚悟で茨の道を駆け抜けるのも致し方ないでしょう。 問題を読み、題意を把握した段階で疑問を感じたら、工夫の余地が見えてく ...

2022/5/28

tanに関する不等式証明【相加平均と相乗平均の間】【1991年度 京都大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(\mathrm{tan}\) に関する不等式証明であり、「平均値の代入値」が \(\tan{a}\) と \(\tan{b}\) の相加平均と相乗平均の間に挟まれることを示させる問題です。 相加平均や相乗平均などの意味のある形の式が登場するため、目を引く主張ですね。 京大受験生であれば、右側の不等式については何らかの形で捌いてほしいとは思います。 難しいのは左側の不等式の証明で、何かしらの切れ味が求められます。 ただ、その発想は突拍子もな ...

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