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2018年度東京大学理類の第5問で、複素数平面に関する対称移動という話題からスタートし、そこから肉付けがしてあります。
今でも記憶にあるのは、この年に参加した研究会の分析会議で「本問がこの年における最難問である」という意見が多数を占めていたということです。
確かに決して簡単ではないと思いますが、
- 通常東大受験生が学習しているであろう範囲内の学習で、十分対応可能である内容であるということ
- 突拍子もない発想を要求されるわけでもないこと
- 上手い解法もあるにはあるが、思いつかなくても堅実な路線もあるということ
を考えると、演習で扱う価値がある問題です。
(以下ネタバレ注意)
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複素数平面の問題の方針決定について
複素数平面の問題において、
という方針決定は大きな問題です。
実部虚部を持ち出せば、慣れ親しんだ \(xy\) 座標平面の話に帰着しますので、最終手段として残しておきたい路線です。
計算は膨らみがちになりますので、まずは実部虚部を持ち出さずに複素数平面の問題としてモノが見えるように準備しておく必要があるでしょう。
(1) について
用意した解答については、実部虚部を持ち出さない路線と、実部虚部を持ち出して \(xy\) 座標平面の話で進めていく路線を用意しました。
複素数平面で、実部虚部を持ち出さずにどのように対称移動させるかについては、本問を糧としてほしいなと思います。
(2) について
軌跡の式を出すだけであれば、そこまでなのですが、やはり軌跡の範囲を求める部分をどのように捌くかです。
そのあたりも、解答では偏角に注目する路線と、大きさに注目する路線と2路線用意しました。
本問については、
という2つの事実が背景にありますが、別にその事実を知っていたからと言って劇的に有利になるかといえば、そうでもないと思います。
「あぁ、天から降ってきた問題ではないんだな」
ということが分かればそれでいいです。
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