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(1) , (2) は京大受験生であれば確保したい典型的な微積分の問題です。
(1) は実質
\(\displaystyle \int_{0}^{\frac{\pi}{2}} \cos^{3}x dx\)
という積分計算に過ぎません。
(2) も
\(f(t)=t\cos^{3}{t}\)
と、即立式でき、
\(f'(t)=\cos^{2}{t}(\cos{t}-3t\sin{t})\)
となります。
\(3t\sin{t}\) という関数に怯んでしまうかもしれませんが、微分に頼らずとも
- \(3t\sin{t}\) は \(0 \leq t \leq \displaystyle \frac{\pi}{2}\) において単調増加
ということは分かると思います。
このあたりを律儀に「もう一回微分してどうのこうの \(\cdots\)」ということをやりだして泥沼に嵌まる恐れはあるでしょう。
(3) についても最短距離でズバッといける人もゼロとは言いませんが、解けたにせよ、ある程度の紆余曲折を経て試行錯誤をした受験生が多いと思います。
示すべき不等式をほぐすと
\(\displaystyle \frac{\cos^{4}{\alpha}}{\sin{\alpha}} \lt \displaystyle \frac{9}{8}\)
となるわけですが、ここで手が止まってしまう人も少なくないでしょう。
\(\displaystyle \frac{9}{8}\) という数字に対してどのような見方をするかが山場となります。
全体的には手際よく仕留めなければいけない部分と、観察力や洞察力を通じて頭を使う部分がうまく1問の中に盛り込まれていると感じました。
難易度は、標準だと思います。
個人的に今年のセットでは、この問題が最も差が付きやすい難易度ではないかと思いました。
具体的には分からない値や関数に必要以上に怯んでしまった受験生も多いと思います。
特に現役生の場合、数Ⅲのこのあたりの完成度をいかに高められるかがカギとなります。