例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
長さが一定の放物線の弦の中点について考える問題です。
素直に立式していけば特に無理はないのですが、普段から場当たり的に問題を解いていると意外と右往左往しかねません。
合格者にとってのスタンダードとなるレベルといってよいでしょう。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む ひとまずは \(\mathrm{P}\)\((p \ , \ p^{2})\) , \(\mathrm{Q}\)\((q \ , \ q^{2})\) と設定します。 さらには \(p \lt q\) と設定しても一般性を失いません。 このとき、線分 \(\mathrm{PQ}\) の中点 \(\mathrm{M}\) の座標は \((\displaystyle \frac{p+q}{2} \ , \ \displaystyle \frac{p^{2}+q^{2}}{2})\) ということになります。 線分 \(\mathrm{PQ}\) の傾き \(m\) については \(\displaystyle \frac{q^{2}-p^{2}}{q-p}=m\) すなわち \(p+q=m\) と得られます。 線分 \(\mathrm{PQ}\) の長さ \(L\) については $$\begin{eqnarray} と捌け、 \(p+q=m\) だったことを考えると $$\begin{eqnarray} と整理できるため、 \(pq=\displaystyle \frac{1}{4}\{m^{2}-\displaystyle \frac {L^{2}}{1+m^{2}}\}\) と、積 \(pq\) も得られます。 今回のターゲットである \(h\) は \(h=\displaystyle \frac {p^{2}+q^{2}}{2}\) と、\(p\) , \(q\) に対する対称式であり、手元に基本対称式 \(p+q\) , \(pq\) が \(m\) , \(L\) を用いて表せているため、 \(p^{2}+q^{2}=(p+q)^{2}-2pq\) という基本処理で捌けるでしょう。 (1) で得られる \(h=\displaystyle \frac {1}{4}(m^{2}+\displaystyle \frac {L^{2}}{1+m^{2}})\) について、\(m\) を変数に見たときの \(h\) の最小値を求めるという趣旨の問題です。 このまま微分に走るのはいただけません。 \(m\) が動くとは言え、結局は \(m^{2}\) という塊として動くわけなので \(m^{2}=t\) とおき、 \(h=\displaystyle \frac {1}{4}(t+\displaystyle \frac {L^{2}}{1+t})\) とし、\(t \geq 0\) の範囲における \(h\) の最小値を求めればよいでしょう。 これについては、 を用いた路線が目につきますが、これについては途中で引き返さざるを得ないことに気がつきたいところです。 (なぜ引き返す必要があるのかということについては【総括】で触れてあります。) そうなると、直接的に微分してゴリゴリ進めていけばよいでしょう。 東大は傾き \(m(=p+q)\) で表すという設定がありましたが 類題は \(a=\displaystyle \frac{p+q}{2}\) で表す ということを指示しています。(1) について
傾き \(m\) について
長さ \(L\) について
L^{2} &=& (q-p)^{2}+(q^{2}-p^{2})^{2} \\
&=& (q-p)^{2}+\{(q+p)(q-p)\}^{2}\\
&=& (q-p)^{2}\{1+(q+p)^{2}\}
\end{eqnarray}$$
L^{2} &=& \{(p+q)^{2}-4pq\}(1+m^{2})\\
&=& (m^{2}-4pq)(1+m^{2})
\end{eqnarray}$$今回のターゲット \(h\) について
(2) について
類題について
類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)