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実践演習 幾何・ベクトル系

複素数平面における幾何的な考察【1次分数変換による実軸の像】【2003年度 東京大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

複素数平面に関する幾何的な考察問題です。

こういった図形を扱う分野としては

図形を扱う分野

  • 幾何的な分野(三角比や平面図形、初等幾何など)
  • 座標
  • ベクトル
  • 複素数平面

が挙げられますが、見た目通りの分野の問題として解き進めていくのが最善とは言えないということが多々あります。

ベクトルの問題だけど座標を導入してみたり、座標の問題だけど、幾何的に見たら早かったり \cdots といった具合です。

この4分野については相互横断的に見ることができるように、様々な問題に触れることで訓練しておきたいところです。

 

(以下ネタバレ注意)

 

 

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今回は複素数平面を扱っていますが、おそらく出題者のやらせたいことは幾何的な考察なんだろうなという設問が (1) にあります。

その誘導の意味を汲み取れれば、べらぼうな難問というわけではないと思います。
(ただ、試験場では差が付くレベルであり、合否を分けかねない一問でしょう。)

基本事項として、複素数平面における「ベクトルの回転」をスムーズに処理できるようにする必要があります。

複素数平面における回転

複素数平面上において、A(\alpha) , B(\beta) , C(\gamma) とする。

\overrightarrow{ AB } を反時計回りの向きを正として \theta 回転& r 倍拡大(縮小)させて \overrightarrow{ AC } になったとき

\gamma-\alpha=(\beta-\alpha)\times r(\cos{\theta}+i\sin{\theta})

誤解を生む表現かもしれませんが、\beta-\alpha\overrightarrow{ AB }\gamma-\alpha\overrightarrow{ AC } r(\cos{\theta}+i\sin{\theta}) を「回転パーツ」だと思ってください。

そして、\overrightarrow{ AB } に回転パーツを作用させたら \overrightarrow{ AC } になったと思ってください。

また、試験場で何かの拍子で (1) ができなかったとしても、(2) では微分というゴリゴリの方針が残されています。

計算量としてはやはり多くなりますので、それなりに茨の道となるでしょう。

試験場においてはそういった場合、全体の出来具合や残り時間との兼ね合いを判断することも必要だと思います。

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