例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
確率の最大を求めるという問題を扱います。
恐らく単元学習の段階では解法のクセの強さと、考え方に慣れていないため、難問という位置づけだったと思います。
ただ、演習段階においては定番の類の問題と言ってよく、学習の定着度があらわれるテーマです。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 3回目の1で操作終了ということを噛み砕いてイメージすれば というように というイメージです。 \(n-1\) 回目までの内訳は という内訳です。 こうなる確率については、 反復試行の確率 1回の試行で、事象 \(A\) が起こる確率が \(p_{A}\) , 事象 \(B\) が起こる確率が \(p_{B}\) とし、この試行を \(n\) 回繰り返す。 \(n\) 回の試行のうち事象 \(A\) が \(k\) 回、事象 \(B\) が \(n-k\) 回起こる確率は \({}_n \mathrm{ C }_k \cdot p_{A}^{k} \cdot p_{B}^{n-k}\) という基本で仕留めます。 これについては丸暗記ではなく というイメージで式を「作る」という類の公式です。 今回の本問で言えば \({}_{n-1} \mathrm{ C }_2 \cdot (\displaystyle \frac{1}{6})^{2} \cdot (\displaystyle \frac{5}{6})^{n-3}\) ということになります。 これに加えて、\(n\) 回目にトドメの \(1\) が出る確率が \(\displaystyle \frac{1}{6}\) なので \(p_{n}={}_{n-1} \mathrm{ C }_2 \cdot (\displaystyle \frac{1}{6})^{2} \cdot (\displaystyle \frac{5}{6})^{n-3} \times \displaystyle \frac{1}{6}\) ということになります。 あとはこれを整理すれば \(p_{n}=\displaystyle \frac{(n-1)(n-2)}{250} \cdot (\displaystyle \frac{5}{6})^{n}\) という結果を得ます。 3回目の 1 はあんまり早すぎるタイミングでは実現しにくいですし、極端な話、 \(100\) 回目のサイコロ投げでやっと3回目の 1 が出るということも実現しにくいというイメージが立つと思います。 ちょうどいい塩梅(あんばい)はどこか という趣旨の問題です。 ある程度のところまでは と大きくなっていき とあるところから下がっていく というイメージで \(\vdots\) というように ということに興味を持って、それを調べることになります。 \(a\) と \(b\) という2数の大小比較をする際の方法は という方法があります。 今回は確率 \(p_{k}\) , \(p_{k+1}\) の大小を比較したいわけです。 ため、この分野においては比をとって、\(1\) との大小を見るという方法がよく使われます。 方法2は払う分母が正かどうかで不等号の向きが変わってくる可能性がありますが、確率分野において扱う値は正の値であることもこの方針を後押しする材料です。 確率の最大問題を考える際の有力方針の一つとしてしっかりとマスターしたい手法です。 例題はサイコロを振るという設定でしたが、 という作業は同じことです。 そう考えると、例題と類題の違いは という違いです。 オチである \(p_{n}\) を最大にする \(n\) を求める前に、\(p_{n}\) そのものを導出する過程で一山あります。 難関大志望者の方においては、この辺りのイレギュラーについてはブレることなく対応する力が求められます。(1) について
(2) について
2数の比較
類題について
類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)