極大値と極小値の和について
例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
本問で言えば、(2) が今回のトピックスである極大値と極小値の和です。
真正面からの計算
- \(f(\alpha)+f(\beta)=2({\alpha}^{3}+{\beta}^{3})+3p({\alpha}^{2}+{\beta}^{2})+3p(\alpha+\beta)-3p^{2}\)
というように、\(\alpha\) , \(\beta\) に関する対称式として表せます。
基本対称式である \(\alpha+\beta\) , \(\alpha \beta\) については、\(\alpha\) , \(\beta\) の元々の出どころである
\(f'(x)=0\)
という2次方程式による、
解と係数の関係
から導出することになります。
工夫の余地
という3次関数の変曲点に関する点対称性を認めれば、変曲点は
\((\displaystyle \frac{\alpha+\beta}{2} \ , \ \displaystyle \frac{f(\alpha)+f(\beta)}{2})\)
であり、\(y\) 座標に注目すれば
\(\displaystyle \frac{f(\alpha)+f(\beta)}{2}\) は変曲点の \(y\) 座標
ということになります。
本問に限った話ではないですが、上のグラフの特徴である、3次関数のグラフの等間隔性もきちんと押さえておきましょう。
という言葉もあります。
極大値と極小値の差について
類題1はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
(3) が今回話題の極大値と極小値の差についての設問です。
真正面からの計算
\(x=s\) で極大値 \(f(s)\) , \(x=t\) で極小値 \(f(t)\) をもつとすると
\(f(s)-f(t)=(s^{3}-t^{3})-3 (s^{2}-t^{2})+k(s-t)\)
となります。
これについては、将来的に \(s-t\) で括れることが見込まれます。
(2) の結果から \(s-t\) を得ることは容易です。
工夫の余地
極大値と極小値の差については
\(f(s)-f(t)=\left[ f(x) \right]_t^s=\displaystyle \int_{t}^{s}f'(x)dx\)
と定積分を逆に見る方向で処理するという方法が有名です。
被積分関数 \(f'(x)=3x^{2}-6x+k\) について
\(f'(x)=0\) の異なる2つの実数解が \(s\) , \(t\)
であるため、
\(f(s)-f(t)=\displaystyle \int_{t}^{s} 3 (x-s)(x-t) dx\)
となり、ここからは \(\displaystyle \frac{1}{6}\) 公式で処理できます。
\(f'(x)\) の最高次の係数である3に注意しましょう。
経験がないと中々できない方針ですが、破壊力は抜群です。
類題2について
類題2はこちら(再掲載)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)
極大値と極小値の差についての類題です。
類題1を学習していれば、真正面から切り伏せても、工夫してもよいでしょう。
方針面においては煮るなり焼くなりという感じです。
ただ、それにしてもまともにやりだすとツライものがあるでしょう。
類題1とはまた別の工夫の余地もあります。
その工夫は今回のトピックスに限らず、汎用性の高い工夫なので、そこも今後の糧としてもらえればと思います。
例題の解答はコチラ
類題1の解答はコチラ
類題2の解答はコチラ