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特徴のある式についてはその個性を活かした扱い方をします。
もちろん、そんな個性のある式はそんなに沢山あるわけではありません。
対称式、交代式、相反式 \(\cdots\) など名前がある式については、個性があるから名前がついています。
今回はその中でも「同次式(斉次式)」というものを扱います。
同次式とは、各項の次数が同じ式のことです。
同次式の例
①:\(3x^{2}+4xy-y^{2}\)
②:\(4x^{3}+5x^{2}y-xy^{2}+8y^{3}\)
などです。
① は
\(x^{2}\{ 3+4\displaystyle \frac{y}{x}-(\displaystyle \frac{y}{x})^{2} \}\)
と \(\displaystyle \frac{y}{x}\) を登場させることができます。
\(y\) の最高次で括っても同様で、
② も
\(y^{3}\{ 4 (\displaystyle \frac{x}{y})^{3}+5 (\displaystyle \frac{x}{y})^{2}-\displaystyle \frac{x}{y}+8 \} \)
と \(\displaystyle \frac{x}{y}\) を登場させることができます。
だから何だと言われそうですが、例えば
\(z=\displaystyle \frac{x^{2}-xy+y^{2}}{x^{2}+xy+y^{2}}\) という分数式であれば、分母・分子をともに \(x^{2}\)(あるいは \(y^{2}\))で割ると
\(z=\displaystyle \frac{1-\displaystyle \frac{y}{x}+(\displaystyle \frac{y}{x})^{2}}{1+\displaystyle \frac{y}{x}+(\displaystyle \frac{y}{x})^{2}}\)
ここで、\(t=\displaystyle \frac{y}{x}\) とおくと
\(z=\displaystyle \frac{1-t+t^{2}}{1+t+t^{2}}\)
と、 \(t\) のみの1変数関数とすることができます。
この同次式の扱いについては、経験が必要だと思います。
加えて、実戦の現場で突然ポンと出題されたときに、自力で気が付くことができるかという点でハードルが高く、「言われてみれば」となることが多いトピックスです。
失敗してもいいので、目に付いた特徴を活かそうという態度で積極的に使ってみることが大切で、それが積み重なって自分のものになっていくものだと思います。
また、(1) においては「逆像法」についての解法も触れてあります。
それについては以下の記事で詳しく解説しています。
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