仮想難関大

仮想難関大(オリジナル予想問題)【整数~累乗数の商と余り~】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。

「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」

という方はぜひご活用ください。

今回は整数と数列に関する問題です。

累乗数の商について考察します。

決して簡単ではありませんが、特別なこともしません。

少しばかり経験による知識的側面は必要としますが、難関大受験生にしてみれば常識にしておくべき知識です。

(以下ネタバレ注意)

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累乗数の余り

\(3^{n}\) を \(8\) で割った商が \(q_{n}\) と設定されていますが、余りも設定しておきます。

\(3^{n}\) を \(8\) で割った余りを \(r_{n}\) と設定すると、除法の原理から

\(3^{n}=8q_{n}+r_{n}\)

という関係式が成り立ちます。

ここで

ポイント

累乗数を何かで割った余りは周期性をもつ

という冒頭述べた知識的側面が必要になります。

今回は

$$\begin{eqnarray}
r_{1}&=& 3 \\
r_{2}&=& 1\\
r_{3}&=&3\\
r_{4}&=&1\\
&\vdots&
\end{eqnarray}$$

というように、\(3\) ,  \(1\) の繰り返しという予想が立ち、それを裏付けることで \(r_{n}\) が求められます。

この裏付けについては

\(3^{n+2}-3^{n}=8\cdot 3^{n}\)

というように差が \(8\) の倍数であることから、従います。

\(3^{n+2}-3^{n} \equiv 0 \pmod 8\)

という合同式を考えれば

\(3^{n+2} \equiv 3^{n} \pmod 8\)

を得るため、\(3^{n+2}\) を \(8\) で割った余りと、\(3^{n}\) を \(8\) で割った余りは等しくなるからです。

これにより、

  • \(r_{n}=3\) (\(n\) が奇数のとき)
  • \(r_{n}=1\) (\(n\) が偶数のとき)

と立式できました。

\(3^{n}=8q_{n}+r_{n}\)

すなわち

\(q_{n}=\displaystyle \frac{3^{n}-r_{n}}{8}\)

という関係式から、\(r_{n}\) が求まれば、\(q_{n}\) も立式できることになり、手なりに話が進んでいくでしょう。

今回は意図的に余りの設定を隠した出題で、どちらかというと意地の悪い出題の仕方であることは否めませんが、

累乗数に関する余りの周期性が常識となっているか

ということのバロメーターとなるような問題だと思います。

なお、累乗数に関する余りについては

参考自然数の累乗の余り【累乗の余りの周期性】【1999年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) シンプルな整数問題で、教訓を多く含む問題です。 場当たり的に解き進めても、腕力がある人はねじ伏せることができるでしょうが、できれば戦略的 ...

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という記事の中でガッツリ扱っていますので、よろしければ参考にしてください。

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