ラフに考えると
今回の示すべき和の中の一般項は最後の部分で循環していますが、細かいことを抜きにして \displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} について考えます。
\displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} について、すごくラフに考えると
0 \lt \displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} \lt 1
なので、
0 \lt \displaystyle \frac{x_{1}}{x_{1}+x_{2}}+\displaystyle \frac{x_{2}}{x_{2}+x_{3}}+\cdots+\displaystyle \frac{x_{n-1}}{x_{n-1}+x_{n}}+\displaystyle \frac{x_{n}}{x_{n}+x_{1}} \lt n
であることは即座に分かります。
今回示すべき不等式は、これよりも厳しく評価する必要があるわけです。
厳しく評価することを考えると
0 \lt \displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} \lt 1 として考えるのはラフすぎたということです。
下から押さえる
そこでまずは下から押さえます。
いくら何でも 0 より大きいというのは当たり前すぎたわけです。
そこで \displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} を小さくしようと思うと、分母を大きくするというのがやりたいことの一つです。
なので、\displaystyle \frac{x_{k}}{x_{1}+x_{2}+\cdots+x_{n}} \lt \displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} と見るのが第一感です。
上から押さえる
先ほどは
\displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} \lt 1 と見るとラフすぎたわけです。
つまり、\displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} を 1 よりも小さい値で上から押さえることになります。
\displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}} 自体 1 より小さいわけですが、その理由としては
\displaystyle \frac{x_{k}}{x_{k}+x_{k+1}}=1-\displaystyle \frac{x_{k+1}}{x_{k}+x_{k+1}} ということが根本にあるからです。
これを、皮切りに
1-\displaystyle \frac{x_{k+1}}{x_{k}+x_{k+1}} \lt 1-\displaystyle \frac{x_{k+1}}{x_{1}+x_{2}+\cdots+x_{n}}
という評価に辿り着けると 1 より小さい値で上から押さえることになります。
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