実践演習 方程式・不等式・関数系

4次方程式の解法【オイラーの手法】【2008年度 横浜市立大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

元々4次方程式の解法についてはフェラーリの方法が有名ですが、今回はオイラーさんにスポットが当たっています。

4次方程式の解法について

「オイラーさんがこういう方法を考えたんだけど、一緒に解いてみよう」

というN◎K的な問題です。

逆に言えば、言われたことをやっていればできてしまうとも言えます。

根号が次から次へと飛び交うため、整理力がモノを言います。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

\(f(x)=x^{4}-20x^{2}-8\sqrt{2}x+32\) とおくと

  • \(f(4)=-32-32\sqrt{2} \lt 0\)
  • \(f(5)=157-40\sqrt{2} \gt 157-40 \cdot 2 \gt 0\)

と言えるため、中間値の定理から解決します。

(2) について

本問はここが一番山場かもしれません。

今、与えられた4次方程式の解を

\(x=\sqrt{p}+\sqrt{q}+\sqrt{r}\)

と表してみようという設定があります。

言われた通り

\(x^{2}\) ,  \(x^{4}\) を計算してみます。

$$\begin{eqnarray}
x^{2}&=& (\sqrt{p}+\sqrt{q}+\sqrt{r})^{2} \\
&=& p+q+r+2(\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp})\\
&=&f+2(\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp})
\end{eqnarray}$$

となります。

\(\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp}\) を \(f\) ,  \(g\) ,  \(h\) で表せないかということで、\((\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp})^{2}\) を計算してやると

$$\begin{eqnarray}
(\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp})^{2}&=& pq+qr+rp+2\sqrt{pqr}(\sqrt{p}+\sqrt{q}+\sqrt{r})\\
&=& g+2\sqrt{h}x
\end{eqnarray}$$

を得ます。

これにより

\(\sqrt{pq}+\sqrt{qr}+\sqrt{rp}=\sqrt{g+2\sqrt{h}x}\)

となり、

\(x^{2}=f+2\sqrt{g+2\sqrt{h}x}\)

を得ます。

ここから、\(x^{4}\) を計算するためにさらに \(2\) 乗すると

\(x^{4}=f^{2}+4f\sqrt{g+2\sqrt{h}x}+4 (g+2\sqrt{h}x)\)

を得ます。

ここから、問題で言われている

  • \(x^{4}-Ax^{2}-Bx-C=0\)

という形を目指すにあたって、\(\sqrt{x}\) を含む部分が邪魔ですから、これを消去していきます。

詳しい計算過程については解答 PDF をご覧ください。

(3) について

(2) で正しい結果が得られていれば

\(f=10\) ,  \(g=17\) ,  \(h=2\)

と得られているはずです。

したがって、考えるべき3次方程式は

\(X^{3}-10X^{2}+17X-2=0\)

です。

これは

\((X-2)(X^{2}-8X+1)=0\)

と変形できるため、

\(X=2 \ , \ 4\pm\sqrt{15}\)

という解を得て解決です。

(4) について

(3) で \(p\) ,  \(q\) ,  \(r\) を Get したこと、及び \((*)\) の解を

\(x=\sqrt{p}+\sqrt{q}+\sqrt{r}\)

と表していたことから

\(x=\sqrt{2}+\sqrt{4+\sqrt{15}}+\sqrt{4-\sqrt{15}}\)

という \((*)\) の解が得られるわけです。

あとは、この2重根号を外していくことになります。

一般の4次方程式の解法について

今回のオイラーの手法を一般論で考えるとどうなるかについて、【総括】の中で軽く触れておきました。

なお、今回の手法では

  • 解を \(x=\sqrt{p}+\sqrt{q}+\sqrt{r}\) とおく

という部分が一つの特徴でした。

その \(p\) ,  \(q\) ,  \(r\) は解と係数の関係から生じる3次方程式によって得られることになります。

つまり、3次方程式を解くことによって、4次方程式を解くという手法と言えるわけです。

3次方程式の解法については

参考カルダノの公式【汚く見える数の正体が整数】【3次方程式の解の公式】【2009年度 東北大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)     一見複雑に見える数が、実はシンプルな数でした、ということを示す問題で、背景には3次方程式の解の公式(カルダノ ...

続きを見る

で触れてあります。

関連問題について

関連問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

例題よりもさらに強烈な根号の嵐が飛び交います。

解き終わるころには視力が下がっていると思います。

根性で解ききる方針は今回は避け、出来る限り目に優しく、そして工夫によって少しでもストレスを減らすことを優先した解答にしてあります。

ご自身で解くときにも、出来る限りの工夫を考えながら進めてみましょう。

例題の解答はコチラ

関連問題の解答はコチラ

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