実践演習 方程式・不等式・関数系

2の累乗の最高位の数【2004年度 早稲田大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

2 の累乗に関して最高位の数について考察する問題です。

桁数問題と併せて最高位の数についても問われることが多いのですが、今回は2の累乗にスポットを当てて考えてみます。

(以下ネタバレ注意)

 

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桁数や最高位の数を求める基本

例えば、

\(3^{2021}\) の桁数を求めよ。
ただし、\(\log_{10} 3=0.4771\) とする。

という問題があったとします。

これについては、色々な書き方がありますが、

\(\log_{10}3^{2021}\)

\(=2021\times\log_{10}3\)

\(=2021\times0.4771\)

\(=964.2191\)

としたあとに

\(3^{2021}=10^{964.2191}\)

と見るのが後のことを考えるといいかなと思います。

ポイント

\(a^{m}\) を \(10^{t}\) の形に直す

まず桁数ですが、\(3^{2021}=10^{964.2191}\) と直しているおかげで

\(10^{964} \lt 3^{2021} \lt 10^{965}\)

とすぐに挟めるため、965桁と即座に分かります。

また、桁数だけで終わることはあまりなく、セットで

\(3^{2021}\) について次の問いに答えよ。
(1)  \(3^{2021}\) の桁数を求めよ。
(2)  \(3^{2021}\) の最高位の数を求めよ。
ただし、\(\log_{10}2=0.3010\) ,  \(\log_{10}3=0.4771\) とする。

と、最高位の数を求める問題もあることが多いでしょう。

これについても、\(3^{2021}=10^{964.2191}\) と直しているおかげで

\(10^{0.2191}\times10^{964}\)

と分けて見るのが分かりやすいでしょう。

\(10^{0.2191}=☆.****\)

であれば、\(10^{964}\) というのは「小数点を右に964回動かす」だけですから最高位の数は☆と分かるわけです。

\(10^{0} \lt 10^{0.2191} \lt 10^{0.3010}\)  ですから、\(1 \lt 10^{0.2191} \lt 2\) より、\(10^{0.2191}=1.****\) となりますから、\(3^{2021}\) の最高位の数は \(1\) であることが分かります。

例題について

例題はこちら(再掲)(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

以下 \(2^{m}\) の形の数のことを「2の累乗数」と呼びます。

(1) について

5桁の2の累乗数のうち最高位が1となるものを求めよ。

という実験的な問いです。

これについては辺々常用対数をとることで整数 \(k\) を不等式で挟んで特定すればよいでしょう。

(2) について

観察力の問題ですが、

\(2\) → \(4\) → \(8\)

\(16\) → \(32\) → \(64\)

\(128\) → \(256\) → \(512\)

\(1024\) → \(2048\) → \(\cdots\)

というように、桁が1桁増える(繰り上がる)タイミングで最高位の数字が \(1\) となっています。

補足

※ \(1\) 桁目のときは \(2^{0}=1\) も含めて考えると

\(1\) → \(2\) → \(4\) → \(8\)

となり、ある意味整合性が取れています。

今回は \(2^{1}\) から考えるので考える対象から除外されていますが

そう考えると、今回考えるべき最後の \(2^{2004}\) が何桁かについて興味がいきます。

計算は【解答】の中できっちりやっていますが、\(2^{2004}\) は \(604\) 桁だと分かります。

つまり、

\(1\)桁 → \(2\) 桁 → \(\cdots\) → \(603\) 桁 → \(604\) 桁

と、桁の繰上りは \(603\) 回起こっています。

よって、最高位の数が 1 の2の累乗数が登場する回数も \(603\) 回であることが分かります。

なお、この考え方をもう少し「式的なバックボーン」をもって記述する路線を【解1】としています。

【解2】は上記のように少しラフに記述したものにしてあります。

発展類題について

発展類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

今度は最高位の数字が \(7\) となるときを考える問題です。

例題と違い、個数ではなく、\(2^{n}\) の \(n\) そのものを特定させるという点で、少し趣が変わってきます。

\(2^{n}=\overbrace{7******}^{k桁}\)

という状況を式的に表現する部分から考えます。

そうなると、

\(7 \cdot 10^{k-1} \leq 2^{n} \lt 8 \cdot 10^{k-1}\)

として辺々常用対数をとって整理すると

\(k-1+0.8451 \leq 0.3010n \lt k-1+0.9030\)

が得られます。

ここまで手の内を晒しても、まだ難しいと思います。

ここから先については脳みそに負荷をかけてみてください。

ウンチク

ベンフォードの法則

1から始まる有限の範囲の自然数の中から無作為に一つ数字を選ぶとき、

最高位の数が1となる確率が最も高い

というものがあります。

例えば1~20という範囲内では

1

(2,3,4,5,6,7,8,9)

10,11,12,13,14,15,16,17,18,19  ( 最高位1 ラッシュゾーン )

(20)

となります。

1~30と範囲を広げると

今度は

20,21,22,\(\cdots\)

という最高位 2 のラッシュゾーンが増えます。

このように、

一番最初に最高位1のラッシュゾーンが現れ、範囲を広げるにつれて最高位2のラッシュゾーン、最高位3のラッシュゾーン、\(\cdots\) という順番で現れます。

桁数が増えれば、再び最高位1のラッシュゾーン、最高位2のラッシュゾーン、\(\cdots\) となるため、そりゃ最高位1が多いはずだわという法則です。

今は自然数でやりましたが、\(2^{0}\) , \(2^{1}\) , \(2^{2}\) , \(\cdots\) , \(2^{n}\) と範囲を決めて、その中から1つ選んだときにもベンフォードの法則が成り立ち、最高位が1となる確率が最も高くなります。

なお、\(2^{0}\) , \(2^{1}\) , \(2^{2}\) , \(\cdots\) , \(2^{n}\)から無作為に一つ選んだとき、最高位の数が \(m\) となる確率 \(p_{m}\) について

\(\displaystyle \lim_{n \to \infty}p_{m}=\log_{10}\displaystyle \frac{m+1}{m}\)

となります。

例題の解答はコチラ

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