対数

2024/3/29

2024年度 東北大学理系第2問【整式と対数関数の大小】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 不等式の証明からスタートし、それを用いて \(n \leq 2\log_{2}n\) を満たす正の整数 \(n\) を求めるという内容です。 (1) の不等式の証明では、与えられた条件式、特に (a) をどのように活用するかが問われます。 (1) の主張は大まかに \(x \geq 2 \log_{t}x\) ならば、\(x+1 \gt 2 \log_{t}(x+1)\) という構造になっており、さながら帰納法の橋渡し的な内容です。 これを用 ...

2024/3/25

2024年度 京都大学理系第6問【整数部分がn桁であるものの中で最高位の数字が1となるものの割合】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(2^{\sqrt{k}}\) の整数部分が \(n\) 桁となるものの中で、最高位の数字が \(1\) となるものの割合について、その極限を考える問題です。 \(2^{\sqrt{k}}\) が \(n\) 桁ということは \(10^{n-1} \leq 2^{\sqrt{k}} \lt 10^{n}\) ということになり、整理すると \((\displaystyle \frac{n-1}{\log_{10}{2}})^{2} \leq ...

2022/11/26

分数形の桁数計算【2006年度 宮崎大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 分数の形をした整数の桁数計算についての問題です。 機械的な桁数計算しかしていないと、こういった問題がボディーブローのように「ウッ」となるやもしれません。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 路線1:2の累乗で挟む \(p\) を実際に計算するのは実質無理筋ですし、このまま \(\log_{10}p\) を計算するにしても、\(+1\) の部分や \(\displaystyle \frac{ \ }{17} ...

2022/6/8

2進法の位取り【1未満の数の2進法表示】【2002年度 静岡大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 見た目に腰がひけてしまうかもしれませんが、根幹が押さえられればあっさりと終わります。 訊かれていることを表面上だけでなく、さらに踏み込んで解釈できればやるべきことが見えてくるでしょう。 (以下ネタバレ注意) + クリック(タップ)して続きを読む 10進法なら 例えば \(k=1 \ , \ 2 \ , \ 3 \ , \ 4\) に対して \(a_{k}\) が \(0 \ , \ 1 \ , \ , \ 2 \ , \ \cdots 9\) ...

2022/2/28

2022年度 京都大学 理系第1問【対数の数値評価】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 年度問題として、見た目のインパクトが大きい問題です。 対数は道具として使うことが多く、 この対数がどれぐらいの大きさなんだろう という対数そのものに対する興味がないと、問題意識がもてないかもしれません。 そういった意味で京大はこういうボディーブローのように受験生が「ウッ」となるところをつついてくるのがうまいですね。 例えば \(\sqrt{2022}\) がどれぐらいの大きさか と言われたときに何をすればよいのかで迷う人はいないでしょう。 そ ...

2021/12/7

等式の扱いと文字消去【2002年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 中々の強面です。 与えられた関係式そのものも強面ですが、「存在条件」というのもパッと見でこわいものがあるでしょう。 そもそも問題文の意味を正しく捉えられるかという点でも結構強力なフィルターがかかっていると思います。 ただ、強面ですが、根はいいやつなので仲良くしたい問題です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 題意の把握 よく分からなければ具体例で実験してみましょう。 下手くそな \(a\) ,  \(b ...

2021/7/20

上二桁の値【最高位の数字の次の値】【2018年度 早稲田大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 桁数、最高位の数字、1の位など、このあたりは定番の話題ですが、本問はそれに加えて 最高位の次の数字 を聞いています。 一見面食らうかもしれませんが、基本をキッチリとおさえていれば対応できる範疇です。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 1 の位について 自然数の累乗の 1 の位 ( 10 で割った余り ) については周期性をもちます。 詳しくは以下の記事で取り扱っています。 今回の \(3^{n}\) に ...

2021/7/15

2の累乗の最高位の数【2004年度 早稲田大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 2 の累乗に関して最高位の数について考察する問題です。 桁数問題と併せて最高位の数についても問われることが多いのですが、今回は2の累乗にスポットを当てて考えてみます。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む 桁数や最高位の数を求める基本 例えば、 \(3^{2021}\) の桁数を求めよ。 ただし、\(\log_{10} 3=0.4771\) とする。 という問題があったとします。 これについては、色々な書き ...

2021/4/29

指数関数と対数関数の共有点【逆関数同士の交点について注意】【2018年度 名古屋大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) \(y=a^{x}\) と \(y=\log_{a}x\) という逆関数同士のグラフの交点について論じる問題です。 まずは何も見ずにノーヒントでこの問題に対峙してみてください。 恐らく、落とし穴にはまると思いますので。 落とし穴に嵌まりすらせずにギブアップしてしまったという人はそれはそれで問題ですが。 (以下ネタバレ注意)   + クリック(タップ)して続きを読む この年の多くの受験生は (1) の問題において 「逆関数だから \( ...

2021/3/23

2021年度 北海道大学理系第3問【指数対数についての従属2変数関数】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) ざっと見た感じだと (2) のオチは2変数関数の最大問題です。 (1) の設問的にどうやら従属2変数関数であるなということ、つまり (1) は文字消去するためのヒントという位置づけだなということが読み取れます。 したがって、(1) を確保できないとなると、それが (2) まで響いてきてしまい、大怪我に繋がってしまいます。 その (1) ですが、分母の 6 に含まれる素因数 2 や、左辺の + の形が邪魔で、左辺と右辺を見比べるということは難し ...

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