実践演習 極限・微分積分系

長さ一定の放物線の弦の中点【2008年度 東京大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

長さが一定の放物線の弦の中点について考える問題です。

素直に立式していけば特に無理はないのですが、普段から場当たり的に問題を解いていると意外と右往左往しかねません。

合格者にとってのスタンダードとなるレベルといってよいでしょう。

(以下ネタバレ注意)

 

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(1) について

ひとまずは

\(\mathrm{P}\)\((p \ , \ p^{2})\) ,  \(\mathrm{Q}\)\((q \ , \ q^{2})\)

と設定します。

さらには

\(p \lt q\)

と設定しても一般性を失いません。

このとき、線分 \(\mathrm{PQ}\) の中点 \(\mathrm{M}\) の座標は

\((\displaystyle \frac{p+q}{2} \ , \ \displaystyle \frac{p^{2}+q^{2}}{2})\)

ということになります。

傾き \(m\) について

線分 \(\mathrm{PQ}\) の傾き \(m\) については

\(\displaystyle \frac{q^{2}-p^{2}}{q-p}=m\)

すなわち

\(p+q=m\)

と得られます。

長さ \(L\) について

線分 \(\mathrm{PQ}\) の長さ \(L\) については

$$\begin{eqnarray}
L^{2} &=& (q-p)^{2}+(q^{2}-p^{2})^{2} \\
&=& (q-p)^{2}+\{(q+p)(q-p)\}^{2}\\
&=& (q-p)^{2}\{1+(q+p)^{2}\}
\end{eqnarray}$$

と捌け、

\(p+q=m\)

だったことを考えると

$$\begin{eqnarray}
L^{2} &=& \{(p+q)^{2}-4pq\}(1+m^{2})\\
&=& (m^{2}-4pq)(1+m^{2})
\end{eqnarray}$$

と整理できるため、

\(pq=\displaystyle \frac{1}{4}\{m^{2}-\displaystyle \frac {L^{2}}{1+m^{2}}\}\)

と、積 \(pq\) も得られます。

今回のターゲット \(h\) について

今回のターゲットである \(h\) は

\(h=\displaystyle \frac {p^{2}+q^{2}}{2}\)

と、\(p\) ,  \(q\) に対する対称式であり、手元に基本対称式

\(p+q\) ,  \(pq\)

が \(m\) ,  \(L\) を用いて表せているため、

\(p^{2}+q^{2}=(p+q)^{2}-2pq\)

という基本処理で捌けるでしょう。

(2) について

(1) で得られる

\(h=\displaystyle \frac {1}{4}(m^{2}+\displaystyle \frac {L^{2}}{1+m^{2}})\)

について、\(m\) を変数に見たときの \(h\) の最小値を求めるという趣旨の問題です。

このまま微分に走るのはいただけません。

\(m\) が動くとは言え、結局は \(m^{2}\) という塊として動くわけなので

\(m^{2}=t\)

とおき、

\(h=\displaystyle \frac {1}{4}(t+\displaystyle \frac {L^{2}}{1+t})\)

とし、\(t \geq 0\) の範囲における \(h\) の最小値を求めればよいでしょう。

これについては、

  • 相加平均・相乗平均の関係

を用いた路線が目につきますが、これについては途中で引き返さざるを得ないことに気がつきたいところです。

(なぜ引き返す必要があるのかということについては【総括】で触れてあります。)

そうなると、直接的に微分してゴリゴリ進めていけばよいでしょう。

類題について

類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

東大は傾き \(m(=p+q)\) で表すという設定がありましたが

類題は

\(a=\displaystyle \frac{p+q}{2}\) で表す

ということを指示しています。

例題の解答はコチラ

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