実践演習 幾何・ベクトル系

複素数平面上の4点が同一円周上にある条件【2001年度 名古屋大学ほか】

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複素数平面上の4点が同一円周上にあるための条件を考えるという問題で、この分野の有名事実の一つです。

幾何的な見方と、複素数を道具として使いこなす力とがバランスよく盛り込まれています。

問題のために作られた問題という作為めいたものはなく、どちらかというと古典的な内容です。

本問そのものが出題されるかどうかという目先の問題ではなく、本問に含まれる教訓を吸収してやるという意気込みで取り組んでみてほしいと思います。

(以下ネタバレ注意)

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例題について

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同一円周上にあることをどのように翻訳するか

中心と半径が具体的に分かっていれば、様々な手立てが考えられますが、本問においては中心、半径ともに与えられてはいません。

そこで、

  • 円周角の定理
  • 円に内接する四角形の対角和が \(180^{\circ}\)

と、幾何的に翻訳していきます。

そうなると、角度の設定が必要になります。

複素数平面における角度は偏角 (argument) に注目するのが自然です。

偏角のモノの見方

一般に \(\mathrm{A}(\alpha)\) ,  \(\mathrm{B}(\beta)\) ,  \(\mathrm{C}(\gamma)\)に対して、\(\mathrm{arg}\displaystyle \frac{\beta-\gamma}{\alpha-\gamma}\) は

\(\overrightarrow{ \mathrm{CA} }\) を\(\overrightarrow{ \mathrm{CB} }\) に重ねるような回転量

を表します。

したがって左の図だと正の角度ですし、右の図だと負の角度です。

つまり、単純に \(\angle{\mathrm{ACB}}=\mathrm{arg}\displaystyle \frac{\beta-\gamma}{\alpha-\gamma}\) とはできないわけです。

本問においては4点の配置がどのようになっているかで、偏角(符号付きの角度)の扱い方が変わってくるため、場合分けが必要となります。

4点の配置の場合分け

単純に4点の配置の仕方は4つの円順列を考えれば

\((4-1)!=6\) 通り

あります。

この6通りを個別にがむしゃらに調べてもいいですが、同じ要領で行ける部分は省エネしたいわけです。

そこで、

  • \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) が隣り合う位置関係
  • \(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) が対角上にあるような位置関係

で場合分けをします。

\(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) が隣り合う位置関係のとき

なのか

なのかでさらに場合分けをします。

どちらも

\(\angle{\mathrm{ACB}}=\angle{\mathrm{ADB}}\)

なのですが、これは上述したように、偏角で処理するためには角度の大きさだけでなく、回転の向きも考慮する必要があるためです。

\(\mathrm{A}\) ,  \(\mathrm{B}\) が対角上にあるような位置関係のとき

ですから、

\(\angle{\mathrm{ACB}}+\angle{\mathrm{ADB}}=\pi\)

と翻訳すればよいでしょう。

これも反時計回りと時計回りで場合分けをしてもいいですが、結局

\(\mathrm{arg}\displaystyle \frac{z_{2}-z_{3}}{z_{1}-z_{3}}+\mathrm{arg}\displaystyle \frac{z_{1}-z_{4}}{z_{2}-z_{4}}=\pm\pi\)

と翻訳すれば十分です。

類題について

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こちらは (2) が今回の話題ですが、単位円(原点中心、半径1の円)という具体的な円なので、例題の幾何的翻訳だけでなく、機械的な計算によって示すことも可能ですし、設問の流れを汲み取れば数式的に処理しろという声が聞こえてきそうな感じです。

京大らしからぬ小問に分かれた出題ですが、これは

(2) は有名な事実だよね。じゃあ (3) についてはどう?

という感じなので、誘導的な小問というわけではなさそうです。

ある命題の逆はどうでしょうか?という必要性、十分性の議論は京大が昔から重視して問いかけてきている内容で、本問も味付けに京大らしさを感じます。

京大が表立ってわざわざ「必要十分条件」というワードを使ってくると身構えます。

【解答】では必要性と十分性を分けてそれぞれ丁寧に証明しました。

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