実践演習 整数系

累乗根の無理数性【真偽判定の判断】【2007年度 京都大学ほか】

例題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

累乗根に関する無理数性を考える問題です。

特に例題でもってきた京大の問題は

真偽判定まで含めて判断しなければならない

というタイプの出題です。

正しいにもかかわらず、反例を探しても見つかりっこありません。

正しくないにもかかわらず、証明しようとしても証明できっこありません。

つまり、判断ミス一つで身動きが取れなくなってしまうわけです。

基本的には疑ってかかるのが基本です。

ただ、正しいものは正しい、と根拠と自信をもって言える必要もあります。

これについては、普段の学習の姿勢がモロに問われると思います。

例えば、公式一つとってみても

「本当?」「なんで?」「考えてみたらそりゃそうか」

というように、一旦自分で咀嚼してから頭に入れてきた受験生は、

  • 疑う姿勢
  • 正しいものは正しいと自信をもって(根拠をもって)言える力

の両方を培ってきているわけです。

こういう力は、未知の問題に対応するための一朝一夕には身に付かない力でしょう。

出題されるかどうかという目先の問題にとらわれず、本問はそういった力を鍛える問題として取り組んでみてほしいと思います。

(以下ネタバレ注意)

 

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命題pについて

\(\sqrt{n}\) と\(\sqrt{n+1}\) が同時に有理数となることがあるかどうかという問題です。

真偽判定について

気持ち的には

\(\sqrt{n}\) と\(\sqrt{n+1}\) が同時に有理数となるような \(n\) を探してみよう

という流れで考えたいところです。

  • もし、見つかれば命題 \(p\) は正しい
  • 見つけるつもりで探していて、矛盾が起こってしまったら命題 \(p\) は正しくない

ということになるでしょう。

\(\sqrt{n}\) と\(\sqrt{n+1}\) が同時に有理数となるような現象は、

\(n\) ,  \(n+1\) がともに平方数

という現象です。

このこと自体に証明をつけるかどうかは問題ですが、ひとまずこれを認めれば、

  • 連続2整数が平方数ということは \(0\) ,  \(1\)  しかあり得ない

ということが分かります。

\(n\) が \(1\) 以上であることを考えるとそれは不可能なので、命題 \(p\) で主張している

\(\sqrt{n}\) と\(\sqrt{n+1}\) が同時に有理数

ということはあり得ないと分かります。

命題qについて

「全ての \(n\) に対して」という命題は結構「強い」主張です。

なので、疑ってかかります。

\(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}\) が有理数となることがある?

と考えます。

真偽判定について

\(\sqrt{n+1}-\sqrt{n}=u\) となるような自然数 \(n\) と正の有理数 \(u\) を「探す」という気持ちで考えます。

見つかれば命題 \(q\) は正しくないと言えます。

見つけようと頑張っていたけど、矛盾してしまったら結果的に背理法が完成し、命題 \(q\) が正しいことが言えます。

類題について

類題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

類題は証明形式で結論が分かっていますから、京大に比べると心理的には楽でしょう。

とは言え、なめていると足をすくわれるかもしれません。

(1) はある意味「当たり前じゃん」系の証明です。

手を進めてみると、意外と「アレ?」となる要素も含んでいると思います。

そのあたりの「リカバリー」と「工夫」と「教訓」についても解説していますので、今後の糧としていただければと思います。

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追記

読者様より、解答 PDF に関するご指摘を頂きました。

途中経過の部分に打ち間違いがありましたが、疑問に思った方もいらっしゃったと思います。

ご迷惑をおかけしました。解答は訂正版に差し替えてあります。

ご指摘ありがとうございました。

キャッシュが残っている可能性のある方は、F5などで更新してください。

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