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\(a_{n+1}=\displaystyle \frac{a_{n}+b_{n}}{2}\) , \(b_{n+1}=\sqrt {a_{n}b_{n}}\)
という漸化式で与えられる数列 {\(a_{n}\)} , {\(b_{n}\)} の極限は
算術幾何平均
と呼ばれます。(ガウスによって深く研究された。)
本問は \(b_{n+1}=\sqrt {a_{n+1}b_{n}}\) なので、同じ括りにしてよいのか疑問ですが。
(本家の算術幾何平均と同じく \(\displaystyle \lim_{ n \to \infty } a_{n} = \displaystyle \lim_{ n \to \infty } b_{n}\) となる点は同じ)
(1)で実験をし、要領をつかんだところで、その結果から(2)の一般論に繋げていきます。
予想は立つと思いますから、その予想を証明するという流れです。
(3)で処理することになる \(b_{n+1}=b_{n}\cos \displaystyle \frac{\theta}{2^{n+1}}\) という漸化式は処理していくと
「バヨエーン、バヨエーン」
という声が聞こえてきます。
(ぷよぷよを知らない方はごめんなさい)
このタイプの漸化式は一昔前結構流行ったことがありました。
今現在は昔ほど頻出というわけではありませんが、しばしば見受けられるネタです。
初見で解ききるには確かな力が必要です。
本問ではありませんが、自分はこのカラクリの問題に試験場で出会いました。
その問題は誘導があったので、このカラクリに気づくことができ、試験中「面白いな、この問題」と思った記憶があります。
後にこのカラクリは
オイラーの無限積
$$\displaystyle \prod_{n=1}^\infty \cos{\displaystyle \frac{x}{2^{n}}}=\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\cos{\displaystyle \frac{x}{4}} \cdots=\displaystyle \frac{\sin{x}}{x}$$
【証明】
\(\sin{x}\)
\(=2\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\sin{\displaystyle \frac{x}{2}}\)
\(=2\cos{\displaystyle \frac{x}{2}} \ 2\cos{\displaystyle \frac{x}{4}}\sin{\displaystyle \frac{x}{4}}\)
\(=2\cos{\displaystyle \frac{x}{2}} \ 2\cos{\displaystyle \frac{x}{4}} \ 2\cos{\displaystyle \frac{x}{8}}\sin{\displaystyle \frac{x}{8}}\)
\( \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \ \vdots\)
\(=2^n\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\cos{\displaystyle \frac{x}{4}}\cos{\displaystyle \frac{x}{8}}\cdots\cos{\displaystyle \frac{x}{2^n}}\sin{\displaystyle \frac{x}{2^n}}\)
であり、これより
\(\cos{\displaystyle \frac{x}{2}}\cos{\displaystyle \frac{x}{4}}\cos{\displaystyle \frac{x}{8}}\cdots\cos{\displaystyle \frac{x}{2^n}}=\displaystyle \frac{\sin{x}}{2^{n}\sin{\displaystyle \frac{x}{2^n}}}=\displaystyle \frac{\sin{x}}{x} \cdot \displaystyle \frac{\displaystyle \frac{x}{2^n}}{\sin{\displaystyle \frac{x}{2^n}}} \longrightarrow\displaystyle \frac{\sin{x}}{x} (n\rightarrow \infty)\)
という背景を知るのですが、そういった意味で、この周辺の話題を整理するのも大変です。
ちなみに、このオイラーの無限積に \(x=\displaystyle \frac{\pi}{2}\) を代入すると
ヴィエトの公式
\(\displaystyle \frac{2}{\pi}=\displaystyle \frac{\sqrt{2}}{2}\cdot \displaystyle \frac{\sqrt{2+\sqrt{2}}}{2} \cdot \displaystyle \frac{\sqrt{2+\sqrt{2+\sqrt{2}}}}{2} \cdots\)
と呼ばれる円周率 \(\pi\) についての等式を得ます。
※時系列的にはヴィエトの方がオイラーよりも前にこの等式に辿り着いていたようです。
そういった意味で、本問は色々な要素や話題が複雑に入っていると言えます。
その問題らも近いうちに関連問題として紹介したいと思います。
※追記(関連問題)
こちらもCHECK
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