場合の数・確率系 実践演習

確率漸化式【状態推移をとらえる練習】【立式した漸化式の処理】【2007年度 お茶の水女子大学】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)

 

難関大頻出テーマである「確率漸化式」をテーマとした問題です。

難関大において、確率漸化式の問題は基本的なものから、凝ったものまで幅広く出題されていますが、本問は

難関大に向けた演習として負荷が適度である

ということを意識して選びました。

 

(以下ネタバレ注意)

 

 

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漸化式の立式

(1) という設問が、

\(n-1\) 回目と、\(n\) 回目の状態推移を考えてください

という声に聞こえるでしょうか。

1の目がある場所は

上面、側面、底面

の3種類のいずれかであり、毎回毎回このどれかの状態です。

特に、今回は上面、もしくは底面に 1 の目が来た場合、次の操作で1の目は必ず側面にいってしまいます。

このあたりの説明について、書かなさすぎというのも問題ですし、あまりにもゴチャゴチャ書きすぎても見づらいし、ということでバランス感覚を重視して記述しましょう。

【解答】では図を入れながら、ゴチャゴチャした日本語の説明とならないようにしました。

漸化式の処理

漸化式が立ってしまえば、基本的には後は数学Bの数列の分野の問題になります。

今回は3種類の数列による連立漸化式です。

今回は確率漸化式ならではの条件

確率漸化式特有の関係式

\(a_{n}+b_{n}+c_{n}=1\)

という関係式を活用していきます。

なお、今回はこの関係式に気が付かなかった場合のリカバリー策については【総括】で触れておきました。

上級問題になってくると

本問は3種類の数列が入った連立漸化式とは言え、どちらかと言えば標準寄りの難易度です。

なお、確率の問題ではそもそも

確率の方針決定

漸化式をもちだすかどうか

という方針決定が大切になってきますし、トップレベルの出題になってくるとこの判断を受験生側に課すような出題もザラにあります。

また、今回は

\(a_{n}+b_{n}+c_{n}=1\)

と、確率の和が 1 となっていましたが、確率の和が 1 とならないような出題もあります。

いつもいつも \(a_{n}+b_{n}+c_{n}=1\) などが成り立っているとは限らない

ということだけは注意してください。

場数を踏みたい方へ

確率漸化式の上級レベルの問題については

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漸化式の解法基本パターン 第7講【隣接3項間漸化式への対応】

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漸化式の解法基本パターン 第8講【2種類の連立漸化式への対応】

問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。)   このシリーズの一覧はこちら   第8講では「連立漸化式」を扱います。 連立漸化式の代表的な解法としては2つあります。 連立漸化式の代表的方針 1文字消去 上手い倍率を見つけて辺々操作 それぞれについて見てみます。 1文字消去路線について 今回の (1) を例にとってみます。 消しやすい第2式に注目すれば、\(a_{n}=b_{n+1}-b_{n}\) と見ることができます。 第1式に代入するために番号を 1 つ上げれば ...

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も適宜活用してください。

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