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平均値の定理そのものについては難関大受験生にとって基本事項の1つです。
本問はその平均値の定理を指数関数 \(f(x)=e^{x}\) に適用したときの接点の位置について考察する問題です。
この問題に出会ったのは、昔自分が受験生のときでしたが、当時の私は色々策に拘り、どうにもこうにもうまくいかず、悩みに悩みギブアップして解答を見ました。
そこには著者の先生の凝りに凝った解答が載っており、「こりゃ思いつかんわ」と唇を噛んだ記憶があります。
悔しさと、もっとシンプルな方針や解答があるはずだという気持ちが原動力となり、当時色々考えました。
そんな当時のノートが発見されたので、今回扱ってみようかと思います。
(以下ネタバレ注意)
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シンプルに差をとる
\(c-\displaystyle \frac{a+b}{2} \gt 0\)
を目指すのが自然です。
\(c\) を消去することを見越して
\(e^{c}-e^{\frac{a+b}{2}} \gt 0\)
と見ることによって、平均値の定理の関係式から
\(\displaystyle \frac{e^{b}-e^{a}}{b-a}-e^{\frac{a+b}{2}} \gt 0 \ \cdots (☆)\)
を証明すればよいことが分かります。
この左辺をどのように見るかで2路線考えられます。
\(e^{\frac{a+b}{2}}\) で括る路線
\((☆)\) の左辺は
\(e^{\frac{a+b}{2}}(\displaystyle \frac{1}{b-a}e^{\frac{b-a}{2}}-\displaystyle \frac{1}{b-a}e^{\frac{a-b}{2}}-1)\)
と \(e^{\frac{a+b}{2}}\) で括れます。
これを整理すると
\(\displaystyle \frac{e^{\frac{b-a}{2}}}{b-a}\{e^{\frac{b-a}{2}}-e^{\frac{a-b}{2}}-(b-a)\}\)
ですから、結局は
\(\{e^{\frac{b-a}{2}}-e^{\frac{a-b}{2}}-(b-a)\} \gt 0\)
を示せばよいわけです。
\(\displaystyle \frac{b-a}{2}=p\) などとおけば
\(p \gt 0\) に対して
\(e^{p}-e^{-p}-2p \gt 0\)
ということが証明できれば解決です。
ここから先は \(f(x)=e^{x}-e^{-x}-2x\) などとおいて微分すれば、手なりに話が進んでいきます
予選決勝法
上記のように見れなかった場合
\(e^{c}-e^{\frac{a+b}{2}}=\displaystyle \frac{e^{b}-e^{a}-(b-a)\cdot e^{\frac{a}{2}}e^{\frac{b}{2}}}{b-a}\)
と見る部分まではそこまで無理はないかと思います。
分母が正なのは分かりますから、あとは分子が正であることを示せばおしまいです。
ここから独立2変数の扱いにおける常套手段である
予選決勝法
を考えてもいけます。
分子において、\(a\) を固定し、\(b\) だけ動かすと考え
\(g(b)=e^{b}-e^{a}-(b-a)\cdot e^{\frac{a}{2}}e^{\frac{b}{2}}\)
と、\(b\) の関数として見ていきます。
ここからは手なりに進んでいきます。
まとめ
結局は下手なことを考えず、シンプルに考えるのが最善だったように思います。
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