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仮想難関大シリーズということで、東大、京大をはじめとする旧帝大、東工大、国公立大学医学部医学科などの難関国公立大を想定したオリジナルの自作問題です。
「手垢の付いていない問題で力試しがしたい」
という方はぜひご活用ください。
今回はベクトルに関する問題です。
条件を数式でどのように立式するかということを考える問題です。
難易度は標準設定です。
(以下ネタバレ注意)
+ クリック(タップ)して続きを読む 内積については \(\vec{a} \cdot \vec{b}=|\vec{a}||\vec{b}|\cos{60^{\circ}}\) という定義に従って計算すればよいだけです。 \(|\overrightarrow{ \mathrm{AB} }|\) については \(|\overrightarrow{ \mathrm{AB} }|^{2}=|\vec{b}-\vec{a}|^{2}\) というベクトルの2乗展開によって仕留めればよいでしょう。 今回、2辺とその間の角度(2辺挟角)が分かっているため 余弦定理 で仕留めることを考える人もいるでしょう。 ただ、 ベクトルの2乗展開と余弦定理は本質的には同じことを意味する ということは押さえておきたいところです。 なぜそんなことが言えるのか納得したかったら 余弦定理をベクトルの言葉で書き換えてみる のが一番です。 \(\overrightarrow{\mathrm{OA}}\) , \(\overrightarrow{\mathrm{OB}}\) のなす角を \(\theta\) とすると これは となっています。 つまり、余弦定理をベクトル語でかけば、あたかもそれは「2乗展開」しているように見えるわけです。 逆に言えば、ベクトルの世界で2乗展開をするということは ということになります。 \(\mathrm{O}\) が、三角形 \(\mathrm{PAB}\) の重心であることから \(\overrightarrow{ \mathrm{OP} }+\overrightarrow{ \mathrm{OA} }+\overrightarrow{ \mathrm{OB} }=\vec{0}\) ということになります。 これより \(\overrightarrow{ \mathrm{OP} }=-\vec{a}-\vec{b}\) と即解決します。 直接計算で求めてもよいですが、重心のもつ幾何的性質を用いて 三角形 \(\mathrm{OAB}\) との面積比について考える という方針が定番かつ迅速な処理でしょう。 その際には という高さが共通の2つの三角形の面積比について 面積比=底辺比 という見方で処理していくのが基本です。 \(\mathrm{P}\) の場所は特定されているため、条件 (i) の翻訳は問題ないと思います。 問題は条件 (ii) についての処理です。 点 \(\mathrm{O}\) が三角形 \(\mathrm{QAB}\) の内部にあるということは点 \(\mathrm{Q}\) が というように、 \(\vec{a}\) , \(\vec{b}\) で張られる斜交座標の第3象限 に存在する。 と看破できれば解決です。 これにより、今回の点 \(\mathrm{Q}\) の存在範囲は ということになります。 あとは (2) 同様に、三角形 \(\mathrm{OAB}\) との面積比を考えて処理すればよいでしょう。 この処理については、複素数平面という分野ではありますが 問題はこちら(画像をクリックするとPDFファイルで開きます。) 複素数は 数値として扱えつつ、ベクトルとして幾何的にも扱える という性質をもっているがゆえに、様々な解法が考えられる分野です。 多くの問 ... 続きを見る でも扱っていますので、血となり肉となりという状態を目指したい方は良かったらチェックしてみてください。(1) について
補足:ベクトルの2乗展開と余弦定理
(2) について
三角形 \(\mathrm{PAB}\) の面積について
(3) について
参考点が三角形の内部に存在するための条件【ガウス・ルーカスの定理】【2000年度 京都大学】